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せき あゆみ
せき あゆみ
novelistID. 105
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魔法使いの夜

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 二十八日はどの家でも餅つきをする。といってもこのごろは餅つき機でついてしまう家が多い。
 でも、おばあちゃんはせっかくぼくがいるのだからと、きねと臼をだしてきた。さちこさんたちもよんでいっしょにつくことになった。
 さちこさんのお父さんが力強くきねをふりおろし、絶妙のタイミングでおばあちゃんがきねとりをする。できあがったお餅はぼくとさちこさんとあこちゃんとで急いで丸めていった。
 お昼にはつきたてのお餅を、おろし餅やあんころ餅やきなこ餅にしてみんなで食べた。
「お、いいな。あんころ餅」
 それぞれ自分の家の餅つきの手伝いがすんだ五人がそろってやってきた。
「おれんち機械だったから味気なくて……。ばあちゃん、いただくよ」
 トシがさっと手を出した。
「さあ、みんなもおあがり」
「はい、いただきます」
 ほかの四人も手を出した。
「やっぱり、杵でつくのはうまいな」
 トシはあんころ餅をほおばりながら言った。口の周りがあんこだらけだ。それを見てあこちゃんが笑っている。
「はい、のどにつかえないようにね」
 さちこさんがお茶をいれてくれた。
「坂下さんが手伝ってくれたから、いい餅ができたよ」
 おばあちゃんがさちこさんのお父さんに言った。
「いやあ、わしも久しぶりでなあ。でも、思いがけず孫に餅つきを見せてやれた」
 坂下のおじさんはあこちゃんを見て目を細めた。

作品名:魔法使いの夜 作家名:せき あゆみ