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ダヴィンチコード イン ジャパン

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 桃子は、「今日は仙台のメトロポリタンホテルに泊まりましょう。」、

「明日、私は家に帰るから八戸のホテルをどこか予約して。」と答えた。

 木村は、「分かった。」と言ってホテルの予約を始める。

 運良く、仙台のメトロポリタンホテルと八戸JALシティーホテルの予約が取れた。

 桃子が、「あなた、行く前に何か食べる。」と聞くと、

 木村が、「そうだなあ、そばでも食べてからいくか。」と答えた。

 桃子は、「すぐに用意するから待っていて、」と言いそばを作り始めようとするが、



 木村が、「待った、麻布十番のいつもの蕎麦屋に行こう。」と言い出す。

 桃子は、「そうよね、そっちのそばの方が私のより美味しいですものね。」と不満含みに言った。

 木村が、「そばを食べた後、そのまま出発しよう。」と言い、自分の荷物の整理を始める。

 そして、「桃子、今八戸は何度ぐらいだ。」と尋ねた。

 桃子は、「東京と大して違わないわよ。」と答え、荷物の整理を始めようとするが、いつ戻る
か分からなかったので、「あなた、いつ戻るの。」と尋ねた。

 木村は、「そうだなあ、20日ぐらいには戻らないと困るなあ。」と答え、自分の荷物を持ち、
駐車場に行こうとする。

 桃子が、「あなた、いつも自分のことしか考えないのだから、私はまだ用意ができてないのよ。」
と言って、急いで5日分の荷物の整理を始めた。

 木村は、ちょっと悪そうな顔をしながら、桃子の荷物の整理を手伝うようなそぶりをしてそ
の場で待った。桃子は急いで用意し、「あなた、できましたので行きましょう。」と言い、先に
駐車場に向かった。

 それに促され、木村も駐車場に行こうとするが車のキーが見付からない。

 木村は、「桃子ちょっと待って、車のキーが見付からない。」と言って、近くを探し始める。

 木村は、「桃子、あった。」と声を上げるが、ないと思った車のキーがポケットにあったよう
で、一瞬ばつが悪いそうな顔をした。

 二人でエレベーターに乗り、地下の駐車場に急ぐ。



 木村の車は白のBMW525Iで、買ったばかりの新車であった。

 二人は駐車場に着くと、トランクにバッグを入れ車に乗り込んだ。

 そして麻布十番の蕎麦屋に向かう。麻布十番に着くと、地下鉄駅の近くにある公共駐車場に
車を入れる。桃子が楽しそうな様子で、「あなた、私が運転するからビールぐらい飲んでもい
いのよ。」と言うと、木村は、「それはお願いしたい。」と答え、早速車のキーを桃子に渡した。

地下にある駐車場を出て、広い道を渡り十番温泉の前にある蕎麦屋に向かった。

 蕎麦屋に着くと入口に近い席に座った。そこに愛想にいい女将風の人がやって来る。

 木村は桃子の顔を見ながら小声で、「生ビールと卵焼きそれに太打の大盛。」と言った。

 桃子は、「天麩羅そば。」を注文をする。とりあえず生ビールが出てきた。

 木村はその生ビールを桃子の顔を見ながら一気に飲み干し、そばが出来上がるのを待った。

 桃子が、「あの車随分スピードが出そうね。」と聞くと、

 木村は、「桃子あんまり飛ばさなくていい。」と言って、少し心配そうな顔をした。

そこにそばが出てくる。

 木村は、用意された辛口と甘口のつゆを半分ずつ混ぜて、自分用のつゆを作った。

 そのつゆにそばをつけて食べる。

 そして、「やっぱり美味いな。」と言った。

 桃子も、「この天麩羅そばは美味しいわ。」と言い、あいづちを打った。

 そこに卵焼きが出てくる。



 木村はその卵焼きを一口食べたとき、

 子供の頃、両親とこの蕎麦屋に来た時のことを思い出した。

 木村は、「桃子、卵焼きの味は昔と変わっていない。」、

「この卵焼きには、両親との思い出が詰まっている。」と言った。

 桃子はしんみりした様子で、あいづちを打っていた。

 そばを食べ終わると木村がレジに行きお金を払った。

 蕎麦屋を出てから、車に戻り、桃子の運転で仙台に向かう。

 そして仙台で一泊したのち、八戸に向かった。

 



  桃子の故郷へ

  8月
17
日午後5時

 夏のうだるような暑さの中、木村と桃子はBMW525Iで快調に八戸自動車道を飛ばし、
八戸に着いた。

 二人は八戸インターを出て市の中心街に進む。

 桃子が、「私ちょっと実家に寄ってから、後でホテルに行きます。」と、木村にも一緒に来て
欲しそうな顔で言った。

 木村は冷静な感じで、「分かった、JALシティーを予約しているからホテルのロビーで会
おう。何時にしようか。」と桃子に尋ねた。

 桃子は、「そうね、家からホテルまでは歩いてすぐだから7時にしましょう。」と答えた。

 桃子の実家は、八戸の中心街から歩いてすぐの鍛冶町というところにあった。父親は地元の
信用金庫に勤める典型的サラリーマンで、高校2年生の妹律子と中学3年生の弟勉がいた。

 車が鍛治町に近づくと桃子は携帯電話を取り,実家に電話をかける。

 電話口には弟が出た。

 桃子は、「つとむ、ちょっと仕事で八戸に来たのでこれから寄る。父さんと母さんに言っと



いて。」と言った。

 勉が、「ねえちゃん、今どこにいるの、何時にこっちに来るの。」と驚いたように言うと、

 桃子は、「きのう、父さんに電話してあるの。仕事が忙しいのであまり時間がないけど、こ
れからすぐに寄るわ。」と答えた。

 木村はその会話を無言で聞きながら、鍛冶町の信号で車を止めた。

桃子が、「ここでいいわ、ボストンバッグはホテルに置いといて、うしろの手提げを取って。」
と木村に言った。

 木村はその雷おこしと人形焼の入った手提げ袋を桃子に渡し、「じゃ、7時にホテルのロビ
ーで待っている。」と言った。

 桃子は、「分かりました。」と目配せをしながら答えた。

 桃子は実家に戻り、木村は車をホテルに向けて進めた。

 そこから5分ほど行くとホテルに前に着いた

車をホテルの前に置いて、カウンターに行きチェックインをする。

カウンターの係りが、「本日ご一泊・2名さまとお聞きしておりますが、それでよろしいでし
ょうか。」と尋ねると、木村は、「それでOKです。」と言ってクレジットカードを出す。係員
はクレジットカードを機械に通した後でサインを求め、駐車場の場所を書いた地図とカードキ
ーを木村に渡した。

 そして、「お部屋は523号です。ごゆっくりお過ごしください。」と愛想よく言った。



 木村は軽く会釈しながら、「恐山はここから遠いのですか。」と尋ねた。

 係員は、「そうですね、5・6時間はかかるでしょうね。まず三沢に行きそこから野辺地を抜
け、下北半島に入り陸奥に行きます。陸奥から恐山はすぐです。高速道路も部分的に出来てい
ます。」と答えた。

 木村は、「どうもありがとう。」と礼を言って、エレベーターで部屋に向かった。

 木村は一週間程前友人から恐山の「いたこ」の話を聞き、

「両親に会えるかもしれない。」と思い、恐山に行きたかった。

 木村はエレベーターで5階に昇り、部屋に入った。