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ダヴィンチコード イン ジャパン

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           ● 目次 ●



   

      第一章 キリストの発見                     


            夏休みの旅行                    


            桃子の故郷へ                    


            キリストの墓へ                   


            東京に戻る                     

            木村の発見                     




      第二章 エルサレム                       


            木村の休暇                     


            エルサレムでの体験                 


      第三章 ロシアへの旅                      


            ナターシャとの出会い・ラーメンマーク(雷文)の発見 


            フリーメイソンの陰謀 
               

            サンクトペトロブルグからモスクワへ         

 

            KGB本部へ                    


            KGBの情報                    


            竹内古文書とダヴィンチ               


            ラーメンマーク(雷文)の歴史            


            聖地への旅                     


            モスクワから東京へ                 




      第四章 日本に戻る                       

  

            安東組との関係                   


            成田空港に向かう                  


            成田事件                      

 

            宮川警部との出会い                 


            成田事件の反響                   


            安東組の再チャレンジ                


            竹内古文書の調査                  


            再び青森へ                     


            亀ヶ岡遺跡での調査                 


            キリストの墓への再訪問               

  

            暁ジョーとの戦い                  


            いよいよ記者会見                  


            事件のその後                   

                                 




          第一章 キリストの発見



  夏休みの旅行

  2010年8月
15
日 午前9時 

 慶応大学出身で大手商社丸実の北米穀物課に勤務する木村孝は、2つ年下で青山のデザイン
事務所ファイナルアーツに勤めるガールフレンドの及川桃子と彼のマンションでテレビを見て
いた。二人はやっと取れたお盆休みに東北旅行を企画している。

 テレビでは何故かキリストの生涯という番組が放送されていた。

「イエス・キリストは紀元前4年頃に生まれ、紀元28年頃ゴルゴダの丘で処刑された。紀元
1世紀初頭にパレスティナで活動し、宗教的教えを説いた人物である。処刑された後、復活し
てメシア(救世主)として世界のために貢献したことは有名な話である。キリストの教えを引
き継ぐ宗派には、カトリック、東方正教会、プロテスタントなどがある。イエス・キリストは
三位一体の教義の元、神の子である救世主として信仰の対象になっている。  三位一体はギ
リシャ語でΑγ.α Τρι.δα、(「聖なる三」の意)、ラテン語でTrinitas (「三にして1」
の意)」などの話が放映されていた。

 桃子が、「今日は終戦記念日なのになぜキリストの特集を放送しているのか。」木村に聞くと、

木村は、「キリストが戦争を終わらせた、とでも言いたいんじゃないのか。」と答え、テレビを



消した。

 木村は2年前、自動車事故で両親を一度に亡くしていた。マスコミにも取り上げられた事故
で、午後
10
時頃東名高速大井松田付近ののぼり線で起きた。木村の両親の乗る車がいねむり運
転のトラックに追突され、前を走るトラックとの間に挟まれて、ペチャンコになったという悲
劇的な事故だった。

 事故を起こした大手運送会社の佐島運輸は、社長が即日記者会見で平身低頭謝った。そして
社長自身が何度も木村のもとを謝罪に訪れた。 その上で一人っ子の木村に対し、4億円とい
う多額の賠償金の話しを持ち出した。祖父祖母とも他界していたので、木村のみが賠償金の受
取人であった。

 木村はずっと放心状態であったが、社長が2度も3度も自分のもとを訪れ、平身低頭謝る様
を見てあまり会社を追求するつもりがなくなっていた。 そんなこともあり、示談金を受け取
ることとした。そのお金をもとに、品川駅付近に8,000万円の高級マンションを購入し、
ひとりで住んでいた。そんな財布はリッチ、心はプアーという木村は、楽天家でよく気がつき、
何でも言うこと聞いてくれる桃子に引かれていった。そして3ヶ月ぐらい前から、どちらが言
い出すともなく同棲生活を始めていた。また木村は両親が死んで以来、奇妙な感覚に悩まされ
ていた。

 たとえば2・3日前、大リーグ中継を見ていたとき、投手が松井の内角高めに投げるような
気がした。その一瞬、ボールがライトスタンドに吸い込まれていく様が見えた。



 その3秒後投手は内角高めに投げ、松井は見事にホームランをライトスタンドに叩き込んだ。
いつもではないが、年に2・3回をそんなことがあった。

   2010年8月
15
日 午前
11
時 

 

 二人は東北旅行のことを話し始める。木村が、「きっと今日東北道は大渋滞だから、常磐道
を行った方がいいなあ。」とつぶやく。

 八戸出身の桃子が、「八戸には美味しいあわびがあるよ。」と言ってみると、

 木村は、「両親に会うのはまだ早いから、市内のホテルに泊まろう。」と答えた。

 桃子はちょっと不満そうなか顔をするが、「そうしましょう。」と言った。

 木村が、「桃子ホテルはどうしようか。」と尋ねると、