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二日後、国中に犯人と見られる、その男の似顔絵の描かれた手配書が配布された。
軍部はラゾーの事件を深く反省すると共に、巡回の一層強化に踏み切るらしい。
異変を察知した際、すぐさま戦闘に移れるよう、巡回の人員を、３人組から５人組へ増員した。
訓練中のまともに戦えない者は極力入れないので、実質、戦闘部隊である。
まだ未熟な兵士が少しでも早く使い物になるべく、魔物との戦いにおける効率的な行動のシミュレートと戦闘訓練に、勤務時間の８割を割いた。
当然のことながら、巡回時間も、大幅に伸ばした。

こうして、職場が慌しく変化を遂げているというのに、事件当事者のライルは、いまだ入院生活を送り続けなければならないことを、非常に歯痒く思いつつ、それでも無理をしたら元も子もないと、じっと回復を待つばかりであるのだった。