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陰陽戦記TAKERU 後編

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 やっと繋がったか、
「あ、美和さん? やったよ!」
 俺は受験した大学の合格発表を見に行った。
 ちなみに学と加奈葉も同じ大学を受験し合格した。これで小中高大と3人同じ…… いや、加奈葉は幼稚園からだからもっと長い、

 あれから戦いは無かった。
 桐生さんは冬休みと同時に家に戻り、残った最後の四凶の1匹、饕餮も現れず時が流れた。
 今は3月になってすぐ俺達の大学入試が決まった。
「ちょっと変わって武!」
「あっ、おいコラっ!」
「あ、美和さん、私! みんな受かったよ!」
 加奈葉は俺の携帯をひったくって美和さんに連絡を入れた。
 俺が話してたってのに忌々しい……
「ま、お前のおかげだけどな学」
 俺は隣の学を見る、
 こいつが俺と加奈葉の勉強を見てくれたおかげだからだ。
「実際受かったのは武達だよ、凄いのは2人だ」
 こいつはその気になればもっとレベルの高い大学を目指せた。
 だが前回の暗黒天帝の一件で自分の意思の大切さを知り、親父さんと話し合って俺達と同じ大学に行く事になったと言う、
 その親父さんも暗黒天帝(正しくは学)に操られてタイムマシンを作っていた時の事はすっかり忘れ、しかも厳格な性格も百八十度変わって丸くなっていたと言う、俺は実際にあった事は無いのでよく分からないが……
 恐らく暗黒天帝の陰の気が抜けた時に一緒に心の中にあった闇の心も抜けたんだろうと言うのが麒麟の推理だった。
「うん、それじゃあね、」
 加奈葉は携帯を切った…… っておい!
「それ俺の携帯だろ!」
「男が細かい事言ってんじゃないわよ、」
 加奈葉は俺の携帯を投げ返した。
「これも学と菅原…… 何だっけ?」
「道真だよ、菅原道真」
 菅原道真、平安時代の貴族で右大臣にまで上り詰めた人だった。
 だけど藤原時平に陥れられ都から追放されたって人だよな、
「だけどそんな人が何で学問の神なんだ?」
「ああ、それはね……」
「そんな事どうでも良いわよ、それよりもお祝いにカラオケでも行きましょうよ。美和さんと香穂ちゃんと拓朗君誘ってさ」
 学が答えようって時に加奈葉が手を振って否定した。
 大学受かっちまえば用無しか、なんて罰当たりな……
「カラオケって、美和さんノラえもんしか歌えないぞ」
 そう言えば最近はゲココ軍曹も嵌まってたな、
「加奈葉ちゃん、僕もあんまり歌は苦手だからカラオケはちょっと……」
「そう? じゃあみんなで食事にする?」
「それがいいだろ、じゃあ美和さんに……」
 俺が再び電話しようとしたその時、
「きゃああっ!」
 突然空を裂く悲鳴が耳に響いた。
 俺達が見た先には信じられない光景が映っていた。