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八十 八重歯
八十 八重歯
novelistID. 10722
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襖(ふすま)

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ふすま

隙間から差し込む
蛍光灯のこもれ灯をまぶたに残して
ふすまは
静かに闇の中で私を抱いた
父と母と
大人だちの織り成す生活を
ふすまの向こう こころの芯に安心し
私は
私の眠りを安穏できた


   コップ酒はうつろな反射
   十一時をまわろうと「もう、寝なさい。」の声もない
   蛍光灯の直射する ふすまのこちら側に回った私は
   大人だちの生活の添い寝を失い
   美しすぎた夢物語と
   ふすまのこちら側との帳尻合わせに
   悪戦苦闘の毎日だ


隙間へと差し込む
蛍光灯のこもれ灯でさするように
ふすまは
静かに闇の向こうでこどもたちを抱いた
こどもたちへ
かれらの湛える寝息を
こころの糧として
私は
私なりの安穏を
かれらに送りたい
作品名:襖(ふすま) 作家名:八十 八重歯