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風はつめたいけどあたたかい春。

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ずかずか。という表現が今の僕の歩調には似合うかもしれない。
要はむしゃくしゃした気分で僕は今、大学の敷地内を歩いている。
その気分の理由にはいくつか理由がある。
一つは単位を落として留年が確定しまったのだ。
日本史の講義の受講数が一つ足りなかった、完全に計算ミスだ。
教授になんとかしてもらえないか頼んでみたが、全く話し相手にもされなかった。
こんなとこで単位を落としたのにも腹は立つのだが、相手にしもらえなかったことに対しても憤りを感じる。
もう一つはそれを親に連絡したら仕送りを止める、と言われたのだ。
本当の事を言うと僕自身はこの大学に来ようとは思っていなかったのだ。
僕の受験の時の学力であれば、もう少し上のレベルの国立大学にも進学できたのだが両親がここにいる教授の熱心なファンでどうしてもその教授の下で学ばせたかったようだ。
僕は特に進学先に強い志望校は無かったのだが、行けるレベルを下げたような感じがして少し嫌悪感があった。
そして渋々、この東京文学大学に進学したのである。
両親もそれを喜んで、有り余るほどの仕送りを毎月送ってきてくれていた。
しかし留年の旨を両親に伝えると物凄い剣幕で怒鳴られて仕送りを止められ、僕が口を開く間もほとんどなく一方的に切られた。
そして、両親がファンである教授こそ単位を落とした日本史の講義の教授だったのだ。
今さらのようだが、大学に入るまでは教授の事は両親の影響で嫌いでは無かった。しかし、いざ講義を受けてみると教授の授業は面白いのだが偏差値の高い者にしか目線がいっておらず、受講者の90%は置き去りの状態でそれが僕は気に食わなかった。
留年するわ、仕送りは止められるわでまさに「てんてこ舞い」だ。
仕送りが無くなったのでバイト先も探さなければいけない。
今年もまた、同じ講義を受けないといけない。
面倒で、面倒で、面倒で。
もうどうしたらいいんだ。