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七不思議解明部

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「ふぁぁ〜眠っ・・・」
とある学校のとある教室にいる俺は大きなあくびをする。
授業も終わり今は放課後。
授業中の緊迫した空気と違って放課後は爽やかな空気になる。
まぁ放課後まで張り詰めた空気だったら嫌だしな。
女子は会話に花を咲かせ、男子はこの後遊ぶ予定を立てたり。
高校生というのもあって青春してるなぁと俺はクラスメートを見て思う。
「お前知ってるか??この学校の七不思議っていうの」
いろいろな話が飛び交う中、俺は1つの話題に耳を傾けた。
「知ってるよ。今じゃ有名じゃないか」
・・・バカバカしい。
何が七不思議伝説だ。そんなものあるわけないっていうのに。
確かな情報もないくせに噂や伝説ってだけで
いかにも存在する、本当にあったかのように話す。
七不思議伝説が有名になった事の発端はある日の校内新聞の記事。
その日の新聞の一面を飾ったのは新しくできた部活動のこと。
それが「七不思議解明部」という意味不明な部活動だった。
その名の通り伝説の七不思議を1つ1つ解明していこうという
間違った時間の使い方をする活動内容。
俺には理解出来ないものだった。
本当にあるのか分からないものを追いかけて何が楽しい??
何も見つからなかった場合、とんでもなく時間の無駄遣いだ。
たとえ見つかったとしてもどうするんだ??
もし本当にあったとして・・・何かが起きたらどうする気だ??
俺もよく七不思議伝説の話題は耳にするが
その中には呪われるような伝説とかもあると聞く。
もしそのせいで呪われ、そして死んでしまったとしたら
それこそ人生を棒に振るようなものではないのだろうか。
そんなバカバカしく人生を終えるなんて・・・情けないじゃないか。
「・・・ちゃん・・・うちゃん・・・」
それに・・・その部活動は七不思議を解明してどうする気なんだろうか。
自分は七不思議を解明したぞ!!すごいだろう!!とでも自慢をする気なんだろうか。
確かに今のこの学校ならそいつは英雄扱いされるだろうけど・・・。
「・・・てるの??・・・ちゃん・・・」
やっぱり俺には理解し難いな・・・。
まぁ人の感性なんて十人十色。
他にも俺のような考えを持ってる人がいるかもしれないし
逆に俺のような考えを否定する考えの人だっているかもしれない。
「悠ちゃん!!」
「・・・って、どうした知里??」
「どうしたじゃないよ!!ずっと呼んでたのに!!」
「そ、そうか。悪い悪い、ちと考え事しててさ」
気がつくと俺の横にいる女子、川島知里。
俺が小さい頃に引っ越した家の隣の家に住んでいた。
母さんに連れられて近所の人たちに挨拶して回る。
その挨拶をする最後の家が知里の家だった。
母さんは知里の母親と意気投合して仲良くなった。
その時そばにいた俺と知里もこの時仲良くなったのだ。
「あなたのなまえは??」
「・・・むらやまゆうき」
「ゆうき・・・ゆうちゃんか!!よろしくねゆうちゃん♪」
こういう感じで仲良くなった。まぁ言うなれば幼馴染ってやつだな。
ここに引っ越してきて最初の友達が知里だったわけで。
初日の学校も一緒に行って、その後も一緒に行って・・・。
懐かしいな〜・・・って、なんか俺年寄り臭い・・・。
「何か悩み??相談に乗ろうか??」
「いや、別にそういうんじゃねぇから大丈夫」
「そう・・・??じゃ帰ろ」
俺は机の横にかけてあった鞄を持つ。
席を立ってそのまま知里と一緒に教室を出ようとする。
「じゃあな悠樹〜」
俺は挨拶してくる友人に返事をして教室の扉を開けて一歩踏み出す。
その時・・・俺は誰かとぶつかってしまう。
「あっ・・・っと、すいません」
俺はぶつかった人に謝罪をする。
その人は非常に暗い顔をしながら「大丈夫」とだけ答えてまた歩き出した。
・・・なんだ??今の。この世の終わりみたいな顔しちゃって。
まぁいいか。特に怪我もなさそうだし。
俺はそう思い、その場を離れた。
作品名:七不思議解明部 作家名:寺島涼牙