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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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休息


 家に着いた輝たちがまず最初にしたことは、深く息をつきながらダイニングのソファーにもたれかかることだった。全員心身ともに疲れ切っていたのだ。
 まだ疲れが取れないようすで座っている人たちを後目に、未空は立ち上がりつかつかとどこかに歩き出した。
「どこ行くんですか?」
 悠樹が聞くと未空は一瞬だけ振り向き答えた。
「お風呂」
「あの、案内します」
 悠樹は慌てて立ち上がり未空の後を追った。
 脱衣所まで案内した悠樹は未空に、
「服を脱いだら、ここにある洗濯機に放り込んでおいて下さい。後で僕が洗って乾かしておきますから」
「下着も?」
「えっ?」
 迂闊だったと悠樹は思った。いつもは男所帯だったので輝と自分の洗濯物は下着も全部まとめて洗ってしまい、悠樹が干してたたんでタンスにまで入れていたのだが、女性の下着までは悠樹は洗えなかった。
「パンツは大丈夫だけど、ブラジャーが血みどろなんだけど?」
「あ、あの自分で洗ってもらえますか、洗濯機の使い方教えますから」
「うん……たぶん使えるから大丈夫」
 悠樹は早くここから出ていこうとした。どうも未空と二人っきりだと少しペースを乱される感じだ。
「洗剤はここにありますし、バスタオルはそこにいっぱい積んであるのを使ってください、それと血は漂白剤入れないと落ちないと思いますんで、ええと、ここに出して置きます」
 悠樹は戸棚から漂白剤を出すと、そそくさと出ていこうとした。
「待って」
 少しドキッとした。
「何ですか?」
「着替えを涼宮さんに借りて来てくれる?」
「わかりました」
 今度こそ悠樹は出ていこうとした。
「待って」
「何か?」
「この家に来た尊も尊。神社であった尊も尊だから……」
 この言葉を受けて悠樹は何かを言おうとしたのだが、未空は行き成り服を脱ぎ始めたので急いで外に出てドアを閉めた。
「尊か……」
 悠樹がダイニングに戻るとそこは戦場と化していた。疲れてぐったりしていたはずの輝と椛がクッションを投げ合って遊んでいたのだ。
「おまえら疲れてたんじゃないの、ぐはっ!」
 椛の投げたクッションがコースを外れて悠樹の顔面に直撃した。それを見た椛と輝は思わず固まった。
 無表情のまま悠樹は床に落ちたクッションを拾い上げ、振りかぶって投げた!
 クッションは見事命中、輝の顔面を吹っ飛ばした。
「わ〜い、悠樹すっご〜い!」