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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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トゥプラス

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「何だって!? 椛を見つけたのか? 神社に戻った時にはもういなかった」
「そうだな。私が見に行った時もすでにいなかった」
 二人は椛のことを探していたのだ。だが、この二人と椛との関係はいったい……?
「それで、どこにいるんだ?」
「真堂輝という学生を知っているか? 今その家に椛はいる」
「すぐにでも会いにいく。あそこを出ていく時に不本意で傷つけてしまったが、長い時を共にした仲だ……」
「駄目だ、今はまだ会いにいくな。おまえはすでに二度の火事を起こしている。これ以上の表立った行動はするな」
「大妖怪と呼ばれていたこの妖狐琥珀が、たかが火事を起こしたくらいでなんだと言うんだ?」
 なんと小春市で最近起きた火事は琥珀の仕業だったのだ。そして、椛が探していたお兄ちゃんとはこの琥珀のことであった。
 だが、琥珀は椛の実の兄ではない。椛のいう?お兄ちゃん?とは自分より年上の若い男性を指し示す?お兄ちゃん?なのだ。しかし、この二人には言葉では語り尽くせないほどの絆で繋がれていた。
「椛は僕の命の恩人だ。都で痛手を負い命からがら逃げていた僕を匿ってくれたのは彼女だった……だから僕は今まで犯した罪を彼女に言われ悔いるようになり、彼女と同じように人間のために今まで尽くしてきたんだ。……それなのに人間は!」
「だから我々は立ち上がったのではないか、この土地を我々の仲間の楽園をにしようと」
「そうだよ、だから椛には僕たちの仲間になって欲しい。彼女は僕たちと同じ存在であり僕の大切な女性だ。それに僕らの計画に椛の力が絶対必要だ」
 彼らの計画とはいったい何か?
 全ての中心にいるのは記憶を失った少女――椛だった。