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CROSS 第7話 『動向』

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 山口が降り立ったところは、司令部の近くの道路だった。道路を走っていた車がクラクションを鳴らして止まる。山口は魔法書をしまうと、その中の一台の車に乗りこんだ。もちろん、その車の運転手である兵士は驚いていた……。
「陸軍の者だが、すぐに港に行ってもらいたい」
山口はポケットから取り出した身分証明書をその兵士に見せた。
「りょ…了解です」
兵士は驚きながらも車を発車させて、港に向かった。司令部のほうは、とても騒がしかった……。



 山口は港に着くとすぐに車を降り、全力疾走で港に入った。CROSSの特務艦の開いているハッチの前には、佐世保が立っていた。
「遅かったですね」
彼女は山口に気づくとそう言った。
「出発できるか?」
山口が息を切らせながら言う。
「……できますけど、何かあったんですか?」
「よし! すぐに出発だ!」
山口は佐世保の問いかけに答えずに、ハッチから特務艦に乗りこむと、胸のバッジではなく艦内回線の電話でブリッジに、
「今すぐ出発しろ!!! 行き先は後で指定する!!!」
「……わ…わかりました!」
ガリアの慌てた声が聞こえてくる。操作音も聞こえてくる。
「山口さん、何かあったんですか!?」
閉まるハッチの扉に挟まれそうになりながら佐世保がさっきよりも強い口調で質問する。
「これ」
山口は佐世保に、どや顔で魔法書を見せた……。
「ハァ!?」(゜Д゜)
佐世保はポカンと魔法書を見ていた……。



 山口たちを乗せた特務艦は、基地の港を出た。周りにいる幻想共和国の戦艦も戦闘機も変な動きはしていなかった。
 そして、特務艦はワープ航行に入った。あの大きな戦艦は一瞬で特務艦の後ろに消えていった……。



   【 第7話 終わり 】
       つづく