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恋の掟は冬の空

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あわただしく


「お帰りなさい どうでしたかぁ。許可でましたか」
「先生いないんだよね。どうなんだろう。ま、ダメならダメでも・・」
「ダメでもいいやって、そんな顔じゃないですよ」
笑われていた。
「病室で待ってなよって、寧々ナースに言われてきたから、おとなしく待つことにするわ」
ベッドに座りながら話しをしていた。
待つのって性格的にはあんまり好きではなかった。
「俺ら全員ここですから 柏倉さんも諦めてここでクリスマスもいいじゃないですか。夕飯にはきっとクリスマスケーキぐらいでるんじゃないですかぁ」
ベッドを斜めにして寝ながら浩君はけっこう、どうでもいいやーって感じのようだった。
「ここで ケーキ出るほうがわびしくないかぁ・・余計に」
「それは 言っちゃダメっすよ。悲しくても食うですよ 俺は・・鳥もでたら食っちゃいますから」
泣くふりまでしながらの浩君だった。

「柏倉くーん なんか探してるって呼ばれたんだけどぉ・・」
部屋の入り口から山崎先生だった。
「すいません、お願いがあって」
松葉杖で立ち上がっていた。
「これでしょ。外泊許可。さっき聞いたから持ってきた」
書類を手に、笑顔だった。
「うわぁー すいません。急で・・」
「いやー 俺もなんか変だなぁ・・なんて思ってたんだけど、もうすぐ退院だからいいのかなぁ・・なんて考えてたから」
「いえ、俺もまったく 考えてなくて・・」
「明日、外泊でいいんでしょ、今からナース室に、まわしておくから注意書きをもらってくださいね。それとサインがいるのかな・・あとで行ってくれる」
「今、一緒に行ってももいいんでしょうか、ナース室に」
「あ、いいよ、やっぱり病院より、あの彼女と一緒がいいよね、そりゃそうだ」
けっこう笑われていた。
「俺なんか 明日も当番だなぁ、彼女も呆れてたわ。いつか捨てられるね、俺は・・」
歩きながらも、グチとも冗談ともなのかを言われていた。
「先生彼女いるんですね。しらなかったです」
「そりゃ、いるんだけど、どうなんだろうねー 俺が女なら俺みたいのとは付き合いたくないね。まともなデートって3ヶ月ぐらいしてないぞ、きっと。」
確かにいつものことだけど、忙しそうな先生だった。
「えっとぉ これお願いされたんだけど、誰かいるかなぁ」
ナース室の前に来ていた。
「あ、先生、すいませんお預かりします。一緒に来たんだ、柏倉君も」
「すいません 忙しそうなのに」
寧々ナースに頭を下げていた。
「じゃぁ 外泊の注意を説明してあげてね。書類には僕ののサインはしてあるから、よろしくねー。えっと、今夜もそのへんで寝てますから、急用があったらですけど呼んでください。じゃぁ」
「はぃ 先生たしかに お預かりいたしました」
「ありがとうございました」
頭を下げていると、もう先生はとっくに歩き出していた。
「家に帰ればいいのに・・」
「それって先生のことですか」
「そう、帰らないんだもん、少しでも気になる患者さんがいると いつでも病院で寝てるんだよねー まじめなんだよね そう見えないんだけど・・」
「そうなんですかぁ 知らなかったです。病院に、こき使われてるんだよっていつも言われてたから」
「恥ずかしがりやなのかなぁ・・そんな言い方するのって」
首を横に傾けながら考えながらの言葉のようだった。
「で、俺ってどうすりゃいいんですか・・」
「ちょっと待っててね」
言いながら後ろの書類棚から紙を出すようだった。
「これは、注意書きね、読んでね。それとここにサインしてくれる」
言われたところに名前を書いていた。けっこうほっとしていた、これでなんとか明日はここでないところで過ごせそうだった。
「はぃ、お終い。この紙は持ってて。直美ちゃんも喜ぶねー。おかしいと思ったもん。外泊許可でてないのは・・」
「言われてよかったですよ。なんか考えてなかったから・・」
「二人で、どんなクリスマスイブ過ごすのかなぁ いいなぁ」
「でも、直美は10時までバイトなんですよ 明日・・外泊なんかできるの全然考えてなかったし、彼女もケンタッキーだから明日はどうにも休めないだろうし・・」
「そうかぁ」
「だから このことは内緒にしておきます、今から言ったら、逆にかわいそうだから、直美が」
「そうかもね。でも、遅くでも一緒にいれるからいいじゃない、良かったね」
「ありがとうございました。急だったのに、動いてもらってすいませんでした」
「やだー そんなに丁寧にお礼言われるとはずかしいや」
そんなことを 言われるとこっちまで恥ずかしくなりそうだった。
「病室戻ります、これは読んでおきますから大丈夫です。えっと 病院でてもおとなしく無理しないようにしますから」
「はぃ お大事に」
たぶん うれしい背中を寧々ナースに見られていた。
でも、明日、どうしようかって考えて歩いていた。なにも考えてなかったから、いろんな事が頭に浮かんでいた。
この足ではどうにも無理なことは諦めないとだった。

「明日は ごめんねー 外泊だから俺、おいしいものでも買ってくるからお土産にね」
病室でベッドに寝ている高校生の横を通りながら3人に1人ずつだった。
「あー きったねーなぁー まったく」
みんなに、同じ台詞を返されていた。
「ニコニコしないようにねー 柏倉さん。ほら、顔がまた、ニコニコするなー ムカツクから・・」
浩君に睨まれていた。
「いやー 君たちもさ 明日になったら、女の子からクリスマスプレゼントが、どっさり来るかもだから」
「もー よけいに ムカツクー」
もちろん浩くんだった。
でも、そんな声はほとんど耳にはいらないで 明日の夜のびっくりするだろう直美の事を考えていた。
うれしそう直美の顔が浮かんで、それがすごくうれしかった。


作品名:恋の掟は冬の空 作家名:森脇劉生