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人間屑シリーズ

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 何度かやり取りをすると、話は見えてきた。その内容はこんなものだった。

・俺の指定口座に、俺の死と共に一千万が入金される。
・一千万で自分の命を売れる人間にのみ、契約が成立する。
・契約成立後、七日後に殺害を実行される。
・契約破棄は、即時殺害となる。
 
 誰が、どのような手順で、何を思ってやっている事かは分からない。
 最初は馬鹿げているとも思った。だが生きていても何もない空っぽの俺は、この契約を実行する事にした。
 
 その日の内にメールが再び送られてきた。

『今日、亡くなる予定の方です』

 そこには見知らぬ名前と共に『夕方のニュースに注目☆』と書かれていた。

 夕方、言われた通りにニュースを見ていると、メールに書かれていた人物が通り魔に刺され、間もなく死亡したと報じられている所だった。
 少しばかり動揺したが、それはすぐに安堵感に変わった。先の見えない暗い世界に別れを告げ、ああ……本当に俺は死ねるんだな――などと、自然に思っていた。
 一千万の受け取りは、母親の口座を指定した。昔、母親の口座でクレジットカードを作り、さんざ迷惑をかけた事が役にたった。ナイスだ、過去の俺。
 こんなロクでもない俺が出来る、唯一で最期の親孝行――のフリをした、これは俺の復讐。俺の死の知らせを聞き、そして俺から一千万が振り込まれていた事を知った時、あいつらは何て思うだろうか。「ああ、私達は何故もっと……」とか思うだろうか。ざまあみろ。俺はなんだか、とてつもなくワクワクした。こんなに胸が高鳴るのは、小学校の遠足ぶりだ。

 高揚する気分のまま、ベッドにもぐりこむと間もなく睡魔が訪れた。
 ハルシオンやデパスの力を借りずに眠るなんて、どれ位ぶりだろうか……。


 目覚めると、メールが一通届いていた。
『今日、亡くなる予定の方です』
 昨日と同じように、見知らぬ名前が記載されている。
 しかし、その数行下に昨日とは違う文面が追加されていた。

『どのような殺害方法がお好みですか?』

         残り、あと六日



作品名:人間屑シリーズ 作家名:有馬音文