小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

信憑性

INDEX|2ページ/2ページ|

前のページ
 

 は? 水晶占いだって?
 あのねえ。水晶占いなんて信頼性のかけらも無いじゃないか。
 ただビー玉をでかくしただけのガラス玉置いて、部屋を暗くして怪しい音楽かけて、ガラス玉に手をかざして「見えます……!あなたの未来が……!」なんていってるだけで金稼いでんだから楽なもんだよ。
 だいたいガラス玉見たところで何が見える? 頑張っても自分の顔しか見えないだろ。もし本当に何か見えてたとしたらそれは霊能力者か単なる頭のおかしい奴だ。
 お前がよく行くところは当たるなんていうがな、それは別に何か見えてるんじゃなくてただ単に人を見るのが上手いだけだ。客の歳や身なりでその人が抱えてる問題をある程度予測し、いくつかの質問をしてそれを絞り込む。そしてあえてあいまいな質問をして相手にこの占いは当たると信じ込ませるんだ。
 例えば「あなたのお父さんは亡くなっていませんね」という質問は亡くなっているという意味と亡くなっていないという二つの意味に取れるだろ? こうした質問を繰り返して相手がどんどんと信じ込んだところで妙な置物を買わせんだよ。詐欺だね。
 だから水晶占いなんて胡散臭さの固まりだし、信用に値しない。
 これからはお前も占いの館なんて行くんじゃないぞ。
 お前ももっと物事の信憑性とか信頼性をちゃんと見分けられるようになれよ。そんなんじゃいつ騙されても文句は言えないぞ。

 おっと。もうこんな時間か。え? これからなんかあるのかだって?
 ああ、これから自己啓発セミナーに行った後、宗教の勧誘をして、その後万能って噂の海外の新薬を買いに行くんだ。お前も来るか?
作品名:信憑性 作家名:ト部泰史