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影響された世界にて

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第3章 この世界における初めての銃声



 ルリジとウォーを乗せたターボリフトは、最初にターボリフトに乗りこんだ場所についた。ターボリフトのドアが開いた瞬間、2人は外へ飛び出した。ウォーが左右を見渡す。
「……どっちから来たんだっけ?」
「来たときの足跡があるからこっちだ!」
ルリジとウォーは床に残っている足跡を頼りに走った。
「村の倉庫みたいに窓が無いから不便だなここは!」
「そんなことよりピスの後を追おう!」
「……おまえ、ピスのこと好きだろ?」
走りながらウォーがからかうような口調で言う。
「もちろん、ぼくはピスが好きだよ!」
「!?」
「ウォーも他の村の人も好きだよ!」
「……ああ、そういうことか」

 足跡をたどって走っていると、ルリジが急に足を止めた。ウォーは足を止めて、ルリジのほうへ振りかえった。ルリジは半開きになっているドアの中に消えていった。ウォーはやれやれといった感じで、ルリジが入った部屋の中に入った。そして部屋に入ると、何かを持っているルリジに、
「おい、急がねぇと!!!」
ウォーの呼びかけに、ルリジは振り返る。
 彼は、木製の台尻がついている『AK47』を持っていた……。3つ重ねのバナナ型マガジンが装着されている。
「こん棒として使えそうだよ。ナイフだけじゃあ不安だし」

 その部屋は武器保管室だった。棚が倒れ、床中に自動小銃などの武器がゴロゴロと転がっていた。ウォーも武器を探し始めた。もちろん、彼らは、銃も火薬も知らない。
「変な形の武器ばっかだな……」
ウォーは床に落ちてた『六四式小銃』を広い上げた。彼は、それをちょっと振ってみる。
 すると、その自動小銃は、哀れにもバラバラになった……。彼は、床に散らばった部品を見て、
「こんな壊れやすい武器を見たことない! ジジイの杖にもならねぇ!」
そう言うと、半壊した『六四式小銃』を放り投げる。壁にブチ当たった自動小銃はネジ一本になるぐらいまで完全にバラバラになった……。
「ウォー、これはいいんじゃないか? 長いし」
ルリジは『M16』をウォーに手渡した。
「まぁ、これでいいか」
「それじゃあ、行こうか」
そう言うと彼らは、自動小銃をグリップ部分を持った状態(台尻を先にしている状態)で構えながら武器保管室を出た。そして、彼らはまた足跡をたどって走り出した。

作品名:影響された世界にて 作家名:やまさん