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寝ずの晩―第3話

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「まったく!見ていらんないっちゃあないよ!」
ひいばあは、あきれたようにそういった。
「お前さ、そうやっていつも自分の中で自己完結して失敗してきただろ。僕には無理だ、手が届かない、そんな理由をつけて諦めてきちゃったんじゃあないか。それで後で後悔する。言っとくけどねえ、今回がお前の最後のチャンスだって神様も言ってたよ。神様はあまり他人の色恋沙汰にちょっかい出すのは趣味じゃないらしいけど、将来生まれるであろう子供と、お前があまりにもヘタレでオクテで、かわいそうだから今回は特別サービスで教えてくれたんだ。いいかい、これは出血大サービスなんだよ。男は度胸!お前は慎重すぎなんだよ。いい加減腹くくりな!」
僕は痛いところを突かれ、グウの音も出ない僕は、自分が情けなくて下を向いてしまった。そして、「でも、どうやって仲良くなればいいの?」と聞こうとして顔を上げるとさっきまでそこにいたひいばあはいなくなっていた。

まったく。言いたいこというだけ言って消えちゃうのかよ。そりゃないぜひいばあ。でもやるしかないんだよな。神様がラストチャンスとまで言っているんだ。ひいばあが太鼓判を押しているんだ。たとえ玉砕してでも、ここはがんばらないと一生後悔するだろう。葬式が終わって東京に帰ったら行動を起こそう。まずはメールアドレスから聞くことから始めよう。


それから5年後、僕らは結婚した。おそらくひいばあが言ってくれなければこんなチャンスを見逃していただろう。現在彼女は妊娠5ヶ月だ。あのひいばあが心配していたくらいだから、そうとう破天荒な子供が生まれるだろう。これから忙しくなりそうだ。でも、僕はもう大丈夫。これからも何とかやってくからさ。あの世で安心して見ていてよ。
作品名:寝ずの晩―第3話 作家名:伊織千景