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杜若 あやめ
杜若 あやめ
novelistID. 627
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桜の下には

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私もびっくりして振り返ると、お隣の奥さんが公園の入り口に立っていた。
あらやだ。今の独り言聞えちゃったかな。
照れ笑いしながら
「こんばんは」
と挨拶する。あの奥さんも夜桜を見にきたのかしら。
それにしては顔色が悪いわ。
あら、何でそんなに怖い顔してるの。
いやだわ、人を指差して。
あ、そんなに走っていってしまわなくても。
やな感じ。そりゃ、一人で公園をぶらぶらして独り言をしゃべってれば
ちょっとはおかしいなと思うかもしれないけれど。逃げることないじゃない。
と、思ってから、私はふと怖くなった。
そういえば、この間テレビでやっていたわ。
満開の桜の下には幽霊が出るって。
幽霊って誰にでも見えるわけじゃないんでしょ。
私には何にも見えないけど、あの奥さんには何か見えたかもしれない。
うう、なんだか背筋が寒くなってきちゃった。
帰ろう。子どもはもう寝てしまったと思うけど
夫はどうかな?
ごめん、私たちもう一度やり直してみない?
っていえるといいな。

作品名:桜の下には 作家名:杜若 あやめ