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砂漠の蜂蜜

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○霞ヶ関・全景

○外務省・庁舎

○同・国際協力機構・開発援助課

○同・同・中
机に『ODA』のプレート
テーブルを挟んで大里課長(46)と香取篤(42)が座っている。
テーブルの上には『アフガン・砂漠地帯のインターネット敷設工事について』の冊子。
大里「これができるのは香取さんしかいない。是非日本が成功させたいと思っている」
香取「分かっています。成功させたいのは同じ気持ちです。しかし、アジアの砂漠は日本とは違う。同じ用に拠点を立てることもできないし、やはり衛星をフルに使わないと」
大里「そんな予算は下りない。だからといってサウジなどイスラム圏に頼ると鉱物資源は石油国がまた独り占めだ。アメリカだって良い顔はすまい」
香取「それなら残りの金をアメリカから出してもらえばいいじゃないですか」
大里「それができたらどんなにいいか。それでなくてもアメリカからはアジアのインフラ整備を早く進めろと言われているんだ」
香取「兎に角、サウジの砂漠のド真中だって今は携帯もインターネットも快適に通じる、これは人工衛星のおかげですよ。私が関わったんだ、この方法でなくては難しいです」
大里「そこをなんとか安く日本式でお願いしたい」
香取「暫く考えさせてください」

○通信局・全景
巨大なパラボラアンテナが廻っている。

○同・データ室
香取が机に書類を投げ出す。
香取「ったくもう」
同僚A(35)が近くで見ている。
同僚A「外務省どうでした?やはり予算が?」
香取「ああ、相変わらず予算はない、でも早く設置してくれの一点張り。砂漠のことを知らなすぎるよ。日本のようにはいかないのに」
携帯着信音
香取、ポケットから携帯を取り出す。
非通知の文字
香取「はい」
サラム「香取さんですか。サラムです。今、日本にいます。覚えていますか」
香取「あっサラムさん。もちろん覚えていますよ。お久しぶりです」
サラム「実は是非お会いしたいのですが」
香取「喜んで」

○サウジアラビア大使館・全景
サウジアラビアの旗がたなびいている。

○同・応接室・中
立派な絨毯が壁に掛けられ、真中に豪華なソファとテーブルが並んでいる。
サラム(51)が立っている。
ドアをノックする音。
サラム「どうぞ」
書記官と香取が部屋に入ってくる。
サラム「お待ちしてました。さあおかけください」
香取とサラム、握手をする。
作品名:砂漠の蜂蜜 作家名:サ ラ リ ン