キャンバスの中の遊戯
先生の言葉に、美幸は一瞬きょとんと首を傾げ、そうして静かに微笑んだ。
「そうですか? ……きっと気のせいですって」
「そうかなぁ……」
そう軽口を言い合う美幸達の横には、彼女達の作品も展示してあった。
青を基調とした、全体的に静けさを漂わせる作品。そして、赤を基調とした、画面全体が激しく躍動している作品。
青の作品には、小林美幸と名前が記されており、赤の作品には、海道茜と名前が記されている。
その奥では、森の妖精達が、淡く笑みを浮かべながら楽器を奏でていた。
(完)
作品名:キャンバスの中の遊戯 作家名:志水