I hate a HERO!!
「はあ……っていうかハァ!?候補だったんじゃないのッ?なんでもう決定になってんのッ?」
っていうか何か辛辣な声が聞こえた気がするけど俺の気のせい?何か滝沢さん普通だし。
「もー、ひでくんったら慌てないの。今日は二人の交流の為にお呼びしたんだから。さあ、光輝君。どうぞ中に」
そう言って家の中に入るように進める。
「あ、いえ。今日は本当に顔みせ出来たらいいなって感じだけだったので今日は失礼します。また打ち合わせは次の機会に時間を多くできたらいいと思うので」
「あらそう?別に我が家は気にしないのよ?」
「それに、俺もまだライバルとしての役が固められてないので俺にも時間いただけると助かります」
そう言う滝沢さんの姿は普通に礼儀正しい常識人なんだが……そうするとさっきの冷たいはなんだったのか。
「それじゃあ、失礼しました」
そんなことを考えてる内に滝沢さんはそう挨拶すると、外に出てしまった。
「あらあら。ひでくん。あなたお見送りぐらいしてらっしゃい」
そういってぐいぐいと背中を押される。
「えー……」
「お客様を見送るのは当然でしょう?それくらいならしてもいいんじゃない?」
「うっ……」
母さんの言うことも一理あると思う。
なので、ちょっと渋々だが、俺もすぐ後を追うことにした。
「がんばってねー」
そんな母さんの言葉も知らずに。
「あ、滝沢さん」
まだ玄関を出てそう遠くない所にい滝沢さんに声をかけた……が。
「俺は絶対に認めないからなッ」
「はい?」
作品名:I hate a HERO!! 作家名:727