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グリーンオイルストーリー空の少年たち 2

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<章=第一章 スタンドフィールドドック>


濃霧から、大きな音が響き渡る。
毎分数十万トンが約300Mの高さから落ちる音。
濃霧のおくには、崖に生い茂る木々があり、崖から突き出してるようにみえるエアプレーンがある。
さび付いたその機体の上に、少年が立っていた。両手を広げ、深呼吸している。
少年が上を見上げて、太陽の光が濃霧を切り開こうとしているさまをみつめていると、風が吹きつけ濃霧が岩肌にむかってかき消される。
目を閉じて、耳を澄ましていると、少年にしか聞こえない音を聞き取ったようだ。
少年は、後ろを向くと、機体の上を走った。エアプレーンは崖につくられた建物に固定されている。
少年は建物の中に消えていった。

10キロという川幅で膨大な水流を誇るヴェンディシオン川にあるヴィエントフレスコ滝。
分流するオホス川があって、それを隔てたラズラルナ島がある。
生い茂る森につきの形をした岩山があり、滝つぼに突き出す崖もある。
崖の上には木々があり、飛びぬけて高い木が一本だけあった。
その木の天辺には、小枝が傘のように生え、天辺から2Mくらいしたからは、枝が切り落とされていて梯子が取り付けられていた。
傘のような小枝の下には藤で出来たいすが取り付けられていて、先ほどとは別の少年が座っていて、岩山を背に、遠くを見ていた。
先ほどの濃霧は風に消え、空は晴れ渡っていて、地平線に多少の雲がかかているぐらいになっていた。
少年の目が何かをとらえた様子で、いすから器用に降りて、階段を降り始めた。5,6M下に降りると階段がなくなり、周りの木々に埋もれる。
そこからは枝をつたって、降りていく。
地上5M付近に木々とつたや縄で作られた橋が木々の間を縫うようにずっと続いていて、少年は小走りで進んでいった。
木々を抜けて岩山に到達すると、建物があり、そこのなかに少年は消えていった。

エアプレーンの機体の上にいた少年は、暗がりの通路に鉄板でできた廊下を走りぬけ、明るい場所にでてきた。
そこは、直径20Mはあるタンクがあって、吹き抜けの穴から太陽の光が差し込んでいた。
タンクの中身は、緑の液体が波を打っていた。
それはグリーンオイルという燃焼させると水蒸気を出すエネルギー資源で、酸素と水素が排出されるので、公害にはならない代物だ。
澄んだ水と太陽の光で繁殖し、水分を多く含む生きたバクテリア。