竹草少女
仮に見つけにくい場所にあったのが理由だとしても、本能というのはそういった単純な理由で機能しなくなるほど柔なものではない―――やはり“鴉(からす)”が種を食いにくるというのならば、必ずその姿を現すはずなのだ。
聡雅は魔女(ラビ)からは得ることの出来なかった情報を、錦(にしき)にたずねてみる。
「“鴉(からす)”は、どんな姿かたちをしているんだ?一体どうやって“種”に近づく」
「そうですね…私もそれほど何度も目にしているわけではないのですが、彼らは―――」
次に少女はなす言葉を聞いたとき、聡雅は血相を変える。
そう、彼の言った通りなのだった―――攻撃は既に、始まっている。