竹草少女
「パイプ椅子は体育館のを使っていいって、担当の先生に話してそういう事になったじゃない?」
「室内用だからダメだって教頭がね!もうどうしたらいいんだっての!いっそ椅子なんてやめちゃう?」
やめちゃおっか、と流生(ルイ)が言うと、彼女がきょとんとして、「ふふふ」と笑う。まだ大丈夫そうだ。
「備品担当の先生ともう一回話してみて、他に使える椅子はないか確認してくる。ついでにカラーコーンもどうにかしてみるね。多分裏校舎にいっぱいあったと思う」
「そっか、流生(ルイ)は陸上部のマネージャーだもんね」
笑って頷いて、汗ばんできた額の前髪を払う。
遠くで使い走りの男子生徒が呼んでいる。はーい、と声を上げて彼女はそちらの方へと走っていく。
それを見届けて、流生も裏校舎へと向かう。