progress
川沿いを自転車にのった二人の少年が映る。
「おいっ!さっきの標識見たか?!」
「見てない!」
「海まであと50キロもあるって書いてあったぞ!」
「うはぁマジか! でもここまで来たら引き返せないだろ」
「ちっくしょう!お前の話なんて聞かなきゃよかった!」
2月の15日。僕は世間一般で言う、大きな"挫折"にぶち当たった。
希望校の掲示板に張り出された番号の中には、僕の番号はなかった。
魂が抜けたような脱力感。絶望感。そして無力感。
全てが終わってしまった気がした。
そんなどうしようもない感情に支配されながら、
一体親になんて言えばいいかなんてことをかんがえながら
家に帰っている途中。幼なじみのこいつと出会った。
「おまえ、結果どうだった?」
「……」
「即答しないところを見ると、落ちたのか」
「なんだよ、文句でもあるのか?」
「いや。そうじゃない」
「じゃあバカにしにきたのか」
「違うんだよ」
「なにがだよ」
「落ちたんだよ。オレも」
「……は?」
「だから!オレも不合格だったって言ってるんだ!」
「な、なんで?おまえ模試でA判定だったじゃないか」
「そんなこと言ったって落ちたモンは落ちたんだよ
クラスで1、2を争う秀才のこいつが不合格?うそだろ?
「正直言うと、家に帰りたくない位凹んでるんだ」
「……俺だって、帰りたくないよ」
「なあ、一緒に脱走しねえか?」
「脱走?!」
「どこか行ったと来ないとこまで行こうぜ!」
「やめろよあほらしい」
「そうだ!川沿いに海まで自転車で行かないか?」
「人の話を聞けよ」
「よし!決定!今から30分後に自転車でここ集合な!」
こうして、僕とこいつは川を伝って下流の太平洋を拝みに行くことになった・
意味なんてなかった。とりあえずなにかをして気を紛らわせたかったんだ。
そして、自転車をこぎ始めてもう2時間。いい加減足が張ってきた。
「な、なあここらでいったん休憩しないか?」
先に根を上げたのはあいつの方。僕も限界を通り越していたからそれに同意した。
「しっかし、海って遠いな。自転車で行けばすぐだと思ったのに」
「あと50キロあるぞ。どうすんだよ」
「どうするって、海を見るまで帰るつもりはねえ」
「なんで俺らこんなことしてるんだろうな」
「わっかんね」
「考えるのを放棄するな企画者」
「おいっ!さっきの標識見たか?!」
「見てない!」
「海まであと50キロもあるって書いてあったぞ!」
「うはぁマジか! でもここまで来たら引き返せないだろ」
「ちっくしょう!お前の話なんて聞かなきゃよかった!」
2月の15日。僕は世間一般で言う、大きな"挫折"にぶち当たった。
希望校の掲示板に張り出された番号の中には、僕の番号はなかった。
魂が抜けたような脱力感。絶望感。そして無力感。
全てが終わってしまった気がした。
そんなどうしようもない感情に支配されながら、
一体親になんて言えばいいかなんてことをかんがえながら
家に帰っている途中。幼なじみのこいつと出会った。
「おまえ、結果どうだった?」
「……」
「即答しないところを見ると、落ちたのか」
「なんだよ、文句でもあるのか?」
「いや。そうじゃない」
「じゃあバカにしにきたのか」
「違うんだよ」
「なにがだよ」
「落ちたんだよ。オレも」
「……は?」
「だから!オレも不合格だったって言ってるんだ!」
「な、なんで?おまえ模試でA判定だったじゃないか」
「そんなこと言ったって落ちたモンは落ちたんだよ
クラスで1、2を争う秀才のこいつが不合格?うそだろ?
「正直言うと、家に帰りたくない位凹んでるんだ」
「……俺だって、帰りたくないよ」
「なあ、一緒に脱走しねえか?」
「脱走?!」
「どこか行ったと来ないとこまで行こうぜ!」
「やめろよあほらしい」
「そうだ!川沿いに海まで自転車で行かないか?」
「人の話を聞けよ」
「よし!決定!今から30分後に自転車でここ集合な!」
こうして、僕とこいつは川を伝って下流の太平洋を拝みに行くことになった・
意味なんてなかった。とりあえずなにかをして気を紛らわせたかったんだ。
そして、自転車をこぎ始めてもう2時間。いい加減足が張ってきた。
「な、なあここらでいったん休憩しないか?」
先に根を上げたのはあいつの方。僕も限界を通り越していたからそれに同意した。
「しっかし、海って遠いな。自転車で行けばすぐだと思ったのに」
「あと50キロあるぞ。どうすんだよ」
「どうするって、海を見るまで帰るつもりはねえ」
「なんで俺らこんなことしてるんだろうな」
「わっかんね」
「考えるのを放棄するな企画者」