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断頭士と買われた奴隷

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親に捨てられ、その後人に拾われたけど馴染めなくて。仕事をしながら一人暮らしをずっとして。家族がいないのは当たり前、それが運命だと思っていた。


「ほれ、ルージェ。今月分の報酬だ」
 俺はガスパドがカウンターに乗せた袋を受けとると口紐を解き中を確認する。そこには金貨が十三枚に銀貨が二十枚、銅貨が八枚入っていた。
「確かに」
 中身を確認し、それを懐にしまい込む。仕事道具である大斧を洗浄係に渡したところでガスパドに呼び止められた。
「こんなこと俺が言える立場じゃねぇことはわかってるが……。ルージェ、お前この仕事辞めた方がいいんじゃねぇか?」
 一体何度目だろうか。仕事をする度にこの男はこうして俺を辞めさせようと説得してきた。その言葉にいつもと変わらない答えを返す。
「悪いが何度言われても俺に辞める気は無い」
「だけどこの仕事はガキのするようなもんじゃねぇよ」
 恐ろしい顔とは反対に随分とお優しい事だ。
 俺の仕事は〈断頭士〉――つまり処刑人だ。死刑判決が出た相手の首を刎ねる。確かに子どもがするような仕事ではない。
「食べていく為だ。それに俺はもう十八歳だ、子どもじゃない」
 着替え終わった俺はそう言って処刑小屋を出て行く。馬鹿野郎とガスパドは呟いたが聞こえなかったフリをした。
 生きるにはとにかく金がかかる。特に俺のような家も家族も無かった孤児の場合、生きていくには身体を売るか汚い仕事をするしかなかった。女なら身体を売ればそれなりに良い暮らしが出来るが男の場合はそうもいかない。精々女の半分以下の稼ぎにしかならないだろう。だから俺はこの仕事を選んだ。
 月に数回首を刎ねるだけで娼婦より多く稼げる。これだけの金があればもしもの時の為に貯えだってできる。この仕事を辞めたくはなかった。
作品名:断頭士と買われた奴隷 作家名:大場雪尋