マ界少年ユーリ!
「そんな最近ですか、だったらまだこの国いるかもしれないってことですよね?(そんな近くにいたなんて……逢いたい)」
衝撃的だった。
そんなに近くにいながら逢えないなんて……。
ヴァッファートは沈痛そうな顔をしていた。
「元気だったかという問いなのだけれど……(これは言うべきなのかしら?)」
「お兄様になにかあったんですか!(正直に言わないとヌッコロス)」
「彼は変わり果ててしまっていたわ。別人かと思うほどだったわね」
「どういうことですか、お兄様になにがあったんですか」
「彼の肌は病的なまでに蒼白く、髪も色が抜け落ちて白く、瞳もくすんだ灰色だったわ。そしてアタイも質問したの、貴公の美しさはいずこへ逝ってしまったのかと。そしたら彼は笑ってなにも答えてくれなかったわ。ただ『弟の命を救うことができました』とだけ……」
「アタシのせいで……」
きっとアーヤはユーリを助けるために?何か?を失ってしまったのだろう。
その想いはユーリにとって重たいものだった。大切な人から?何か?を奪うことは本意ではない。
「(それならアタシが死んだほうがマシだった……)」
いつも自分中心のユーリがそう思えたこと、胸の奥でトキメキが輝きはじめていた。
突然、ヴァッファートが顔を上げた。
「何者じゃ!」
オカマモードではなくマジモード。
次の瞬間、ヴァッファートの顔面で巨大な爆発が起きた。
硝煙と雪煙に映る二つのシルエット。
「貴様には何の怨みもないが、二五パーセントオフで受けてしまった依頼だ。覚悟しろ!」
謎のシルエットから大量の暗器が飛び出した。
果たしてこのシルエットの正体はっ!
作品名:マ界少年ユーリ! 作家名:秋月あきら(秋月瑛)