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秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
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マ界少年ユーリ!

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第3話 OH エド捕物帖オウジサマン!5


 春の木漏れ日のような暖かい温もり。
 おやっさんはバッと眼を覚ました。
「生温ッ!」
 そして、おやっさんは自分に抱きついてる裸の男に気づいて飛び起きた。
「誰だよっ!」
 で、自分も裸だったことに気づいて股間をガードした。
 頭を混乱させながら、おやっさんは辺りを見回した。
 どうやらどこかの洞窟らしい。
 焚き火の周りで服を乾かしている。
 そして、赤フンで仁王立ちする男――顔は黒頭巾で隠されていた。
 黒子がパペットをサッと出した。
「生肌デ温メルノハ常識ダロウガッ!」
 凍えた人を温めるのは服を着たままより生肌のほうがよい。豆知識だ。
 しかし、この赤フン男に抱きつかれていたかと思うと、おやっさんはゾッとして寒さがぶり返してきた。
「ハクション!」
 鼻水を飛ばしたおやっさんを見て黒子を抱きついて来ようとした。
「死ヌナ、今温メテヤルゾ!」
「近寄るな変態!」
 おやっさん怒りの鉄拳!
 グーパンチを喰らった黒子は地面に尻餅をついてM字開脚!
 サッとおやっさんは顔を背けた。
「さっさと服を着やがれ変態」
「赤ふんハ漢ノ正装ダ、コンチキショー!」
「助けてもらったようなのは礼を言うが、早く着ないと剣のサビにするぞ……俺の大事な剣はどこだ」
 フルチンでおやっさんは慌てふためいた。
 黒子はふんどしに手を突っ込んで、中から剣を取り出した。明らかにサイズが合わないのは目をつぶりましょう。
「此処ニ有ルゾ」
「そんなとこに入んな腐るだろ!」
「安心シロ、一日十回ハ洗ッテルゾ」
「そーゆー問題じゃねぇよ!」
 おっさん怒りの鉄拳!
 地面に尻餅をついた黒子は(以下略)。
 自分の剣を奪い返したおやっさんは服を着替えようとしたのだが――。
「おい、俺のパンツ知らないか?」
「テメェノぱんつナラ此処ニ有ルゾ」
 黒子はふんどしに手を突っ込んで(以下略)。
「温メタ方ガ穿ク時、気持チ良イト思ッテナ」
「そんなパンツ穿けるかッ!」
 おっさん怒りの鉄拳で黒子は(以下略)。
 怒りながらおっさんはノーパンでズボンを穿き、さっさと着替えを全部済ませた。腰に剣を装備して完璧だ。
 謎の黒子もすでに燕尾服に着替えていた。
「オイ、焚キ火ニ当タレ」
「すまんな」
 二人は焚き火の近くに腰を下ろした。
 おやっさんはポケットからタバコを取り出して、焚き火で火を点けようとしたが点かない。
「チッ、湿気っちまってるな(ホントついてねぇーな)」
「煙草ナンテ吸ッテルト長生キ出来ネェーゾ」
「っるせえな、俺の勝手だろうが」
「綺麗ナ奥サント可愛イ娘ト息子ガイルンダロ?」
「なんで知ってんだよ?」
「何ヲ隠ソウ俺様ハえすぱーナノダ!」
「マジか!」
「嘘ダ」
 ウソかよっ!
「財布ニ入ッテンノ見タゾ」
「何だと?」
 おやっさんは慌ててサイフを探した。ポケットあったサイフ、その中には家族で撮った写真が入っていた。思わずほっと胸をなでおろすおやっさん。
「(てっきり股間に……いや、よかった)ところでおまえ名前なんてんだ?」
「俺様ハせばす。コッチノ男ハ黒子ダ」
 あくまで黒子とパペットは別々の存在です。
 おやっさんも自己紹介をする。
「俺の名前はクルダ。王都アステアで鍛冶屋をやっている。この山にホワイトムーンと云う特別な鉱石を採りに来たんだが、雪崩に巻き込まれてお前に助けられたようだな」
「オウ、助ケテヤッタゾ」
「せっかく手に入れたホワイトムーンも雪崩と一緒になくしちまったようだ」
「其ノほわいとむーんナラ、此処ニ――」
 股間に手を突っ込もうとした黒子をクルダは必死に止めた。
「待て、それはもうお前のもんだ、やるから出すな(そんなもんで武具を作るなら死んだほうがマシだ)。それにそれだけじゃ足りねぇんだ、もっと多くのホワイトムーンを探さなきゃな……見つかるかどうかわからんがな」
 ホワイトムーンと云えば、グラーシュ山脈でしか採取できない超希少価値の高い鉱石だ。しかも、この地はババナで釘が打てる極寒地帯。さらにホワイトムーンが採取できるポイントは一年中猛吹雪が吹いていて、恐ろしい怪物も出現するデッドゾーン。
 そんな場所に足を踏み込むのは度胸があるか、バカなのかどっちかだ。
 しかし、クルダは再び行こうとしていた。きっとバカだ!
「俺はまた採取に行くぜ。おまえはどうすんだ?」
「道ニ迷ッテンダ、悪イカコンチキショー!」
 ユーリを探してなぜか雪山に迷い込んでいた。
「……チッ、仕方ねぇな。ホワイトムーンはあきらめっか。山のふもとまで一緒に降りてやるよ」
「本当ニ良イノカヨ?」
「命の恩人だからな」
「感動シタゾ、テメェ良イ野郎ダナ」
 黒子はセバス人形をクルダの顔にグリグリした。
「グリグリすんな!」
 おやっさん怒りの鉄拳!
 黒子は地面に尻(以下略)。