小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」
秋月あきら(秋月瑛)
秋月あきら(秋月瑛)
novelistID. 2039
新規ユーザー登録
E-MAIL
PASSWORD
次回から自動でログイン

 

作品詳細に戻る

 

マ界少年ユーリ!

INDEX|13ページ/52ページ|

次のページ前のページ
 

第2話 ドリームにゃんこ in 夢(む)フフ1


 ドーンっと一発、住宅街に爆発音が響き渡った。
 敵襲かっ!
 近くで遊んでいた子供がとある借家を指差して無邪気に笑う。
「やったぁ、またへっぽこだ!」
 ご近所さんでも有名なへっぽこ魔導士――ルーファスの家だった。
 独り暮らしのルーファスはやりたい放題。
 部屋の中は散らかり放題で、床に落ちたマンガや雑誌が国境線を作り、脱ぎっぱなしの服が山を作り、こぼしたジュースが川を作っている。
 この惨状をとある爆乳教師はこう名づけた。
 ――腐海の森。
 しかし、こんなゴミの埋立地みたいな場所にも聖域が存在した。
 パソコンの周りだけはキレイなのだ!
 だいたい普段ルーファスがどこで生活してるのかが伺える。
 そして、この秘境のジャングルには洞窟も存在していた。人はそれはこう呼ぶ――地下室への階段!
 つまりただの階段だった。
 地下室の階段を降りるとルーファスがいた。
 この地下室は前の住人が魔導実験室に使っていたもので、大爆発を起こしても部屋はまったく傷つかない。傷つくのはルーファスくらいだ。
 大爆発を起こしてしまったルーファスは、床に倒れて生き絶え絶えだった。
「……死ぬかと思った(けど、完璧だと思ったのにどうして?)」
 ルーファスは召喚の練習をしていたのだ。
 さすがに次はない。
 ファウスト先生の?悪魔の契約書?にサインしてしまった以上、今度また追試で失敗なんかしたら……考えるだけ恐ろしい。
 そんなわけでルーファスは休日返上で、召喚術の猛特訓をしているのだ。
 ちなみに先週の休日も同じように特訓していた。そのときは、どっかのピンク頭の仔悪魔に邪魔され、未知の生命体を呼び出してしまって大変だった。最後は無事に未知の生命体は宇宙に帰還してれたが。
 幸運なことに今日は邪魔者がいない!
 心置きなく大爆発ができる。
 失敗にめげつつも、命がかかってるルーファスはあきらめない。すぐに新しく準備をはじめて、召喚の呪文を唱えはじめた。
 床に水生ペンキで描かれた魔法陣が光だす。
 マナフレアが少しずつ現れた。
「(いけるかも!)」
 今までにない手ごたえを感じるルーファス。
 そして、最後の一言を声高らかに叫ぶ。
「――出でよ、インぶはっ」
 デジャブーっ!
 突如、魔法陣から飛び出した影に膝蹴りを喰らい、ルーファスは鼻血ブーしながら転倒した。
 倒れたルーファスの視線に入ったのは、燕尾服を着た謎の男。どこら辺が謎かというと、首から上が黒子の格好!
 つまり、黒頭巾を被って顔を隠していた。
 黒子は腕にはめていたパペットをルーファスの眼前に突きつけた。
「オイ、ソンナトコニ突ッ立ッテタラ、危ネェーダロ!」
 腹話術だった。
「ご、ごめんなさい」
 普通は膝蹴りをしたほうが謝るのだが、気弱なルーファスは自分が謝ってしまった。
 パペットは辺りを見回している。
「此処ハ何処ダ。教ヤガレ、スットコドッコイ!」
「え〜っと、国から言ったほうが宜しいんでしょうか?(こ、この人形怖いよぉ)」
「オ前人間ダロ、ダッタラ此処ハのーすダロ。のーすノ何処ダ、スットコドッコイ!」
「アステア王国の王都アステアですが……ちなみにここは私の家の地下室です」
 パペットは手を広げて驚いたリアクションをした。ちなみに黒子はまったく無反応で、見える透明人間に徹している。
「オオ、ヤッパあすてあ王国ナノカ! オイ、ウチノ小娘ヲ見ナカッタカ?」
「小娘ってどのような感じの?」
「世界デ一番ぷりてぃナ小娘ダ。名前ハゆーり・しゃるる・どぅ・おーでんぶるぐッテンダ」
「それなら知ってますけど」
「オイ、サッサト吐ケ。知ッテルンダロ、サッサト言ワネェート、ヌッコロスゾ!」
 パペットでルーファスの顔面をグリグリされた。パペットとキスしまくりだ。
 グリグリされ放題で、ルーファスは口を開くこともできなかった。
 すると、パペットは逆ギレした。
「何デ、言ワネェーンダヨ。隠スト、ヌッコロスゾ!」
「そ、それはあなたが僕の顔をグリグリするから……(窒息しそうだったし)」
「ウッセンダヨ、ノロマ! モウイイ、俺様ガ自分デ探ス!」
 そう言って、パペットに連れられて黒子は姿を消してしまった。
「……なに今の人?」
 まるで嵐のように過ぎ去って行ってしまった。