小説が読める!投稿できる!小説家(novelist)の小説投稿コミュニティ!

二次創作小説 https://2.novelist.jp/ | 官能小説 https://r18.novelist.jp/
オンライン小説投稿サイト「novelist.jp(ノベリスト・ジェイピー)」

かいなに擁かれて 第六章

INDEX|4ページ/4ページ|

前のページ
 

 魅華はテーブルの端にあった伝票を取ると先にレジに向かった。慌てて信がそれを取り返そうと魅華の後を追った。
「魅華ちゃんってば、いかん、いかん。はいこれ受け取ってよ」
「大丈夫、大丈夫。たまにはこれくらいさせてよね」
「仕方ないな……、じゃ、タクシーで行こうよ。車拾うからちょっと待って」
 店をでた前で流しのタクシーを信は拾おうとあげたその手を魅華はとって微笑んだ。
「贅沢、贅沢はダメだよ。二駅なんだから、電車で行こうよ。信ちゃん」
 小さな柔らかな手に、大きなグローブのような手をとられ、ふたりは駅に向かった。
 信は、駅がもっともっと遠くにあればいいのに、と思った。

        次章へ続く
作品名:かいなに擁かれて 第六章 作家名:ヒロ