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タカーシャン・ソレイユ
タカーシャン・ソレイユ
novelistID. 70952
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身体についてのひとりごと

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身体についてのひとりごと

不具合と一緒に、生きていくということ

10歳のころ。
理由もなく、心臓がドクドク鳴る日が増えた。
教室にいるだけで息が浅くなる。
発表の順番が近づくだけで、手のひらがびっしょりになる。

いまで言えば「不安障害」。
でも当時は、ただの「気にしすぎ」と言われて終わった。

治療はしなかった。
というより、「どうしたらいいか分からなかった」。

そのまま20歳まで、
身体はずっと緊急事態モードのままだった。



朝起きても、寝た気がしない。
夜は布団に入っても、頭だけが起きている。

「明日、大丈夫かな」
「ちゃんとやれるかな」

考え始めると止まらない。

気づけば、朝。



社会に出て、仕事が始まると、
今度は頭痛が増えた。

ただの頭痛じゃない。
視界の端がチカチカして、
ズキン、ズキンと脈打つような痛み。

いわゆる偏頭痛。

会議中でも、営業中でも、
関係なくやってくる。

「今じゃないだろ…」

心の中で何度もつぶやきながら、
薬でごまかして乗り切る。



「ストレスを溜めないようにしよう」
「無理はしないようにしよう」

頭では分かっている。

でも現実は、そんなに都合よくできていない。

仕事は待ってくれないし、
人間関係も選べない。

結局、無理をする。
そして、体に出る。

その繰り返し。



あるとき、気づいた。

「これは気合いでどうにかなるものじゃない」

ということに。



そこから少しずつ、
自分の取扱説明書を作り始めた。

・寝る前にスマホを見すぎると眠れなくなる
・人混みが続くと自律神経が乱れる
・空腹と寝不足が重なると頭痛が来る
・「ちゃんとやらなきゃ」が強すぎると、身体が固まる

ひとつひとつ、
失敗しながら覚えていった。


薬にも頼った。

風邪薬、頭痛薬。
正直、根本解決じゃない。

でも、
「今日を乗り切る」ためには必要だった。



同時に、考え方も変えた。

「全部うまくやろう」とするのをやめた。
「今日は6割でいい」と決める日をつくった。

すると少しだけ、
身体が楽になった。



さらに意識したのは、
脳とホルモンのバランス。

・朝、光を浴びる
・軽く体を動かす
・ちゃんと食べる
・無理にポジティブにならない

地味だけど、
確実に効いてくるやつ。



それでも、
完全にコントロールできる日は来ない。

調子がいい日もあれば、
何もしていないのに崩れる日もある。

理由なんて、分からない。



でも今は思う。

「これが、自分の身体なんだ」と。



不具合がある。
痛みもある。
思い通りに動かないことも多い。

けれど、この身体は、
一度も私を見捨てたことはなかった。

それを抱えながらでも、
仕事をして、
人と関わって、
今日を生きている。



完璧じゃない。
むしろ、ずっと不安定だ。

でも、

「壊れている」のではなく、
「そういう仕様」なんだと思うようにした。



人生は、
万全の状態で始まるものじゃない。

どこかに不具合を抱えたまま、
調整しながら進んでいくものだ。



だから今日も、

「なんとかなる」とまでは言わないけど、
「なんとかやる」くらいの気持ちで、

自分の身体と、
うまく付き合っている。