旅エッセイー四国2 鳴門、父母が浜、別子銅山、金刀比羅宮
四国の旅その二 202510 鳴門、父母が浜、別子、琴平
前回四国の西半分に行ったので今回は香川や徳島へ足を延ばした。航空会社のキャンペーンは調べるとけっこう頻繁にやっていたのである。
高松空港8時半着の便はかなり早朝に東京の家を出なければならずどうしても寝不足気味。これが国際線ならたっぷり寝られるが、狭い日本、四国くらいでは90分で到着。機内で映画など見ようと思うならペース配分して早送りにしないと結末まで見られない。(ラストの方で慌てて早回ししている人が斜め前にいた)
高松からレンタカーで徳島県鳴門市へ。早めに到着したかったのは、鳴門の渦潮がよく見られる時間帯に合わせたのと、途中で朝からやっている人気うどん店に寄ってつるっと朝食を摂りたかったから。ところが、残念ながら店についてみると「本日11時から」の張り紙。まあ、ネット情報と現地が一致しないのはよくあることで。諦めてファミレスにでもと思ったが、だらだら探していると渦潮タイムに遅れそうなので鳴門に直行。
駐車場から少し歩き鳴門大橋に至る。海上45メートルに位置する鳴門大橋は道路の下に遊歩道があり、大人510円で「渦の道」なる展望スペースを歩くことができる。
通路はガラス張りで太平洋、淡路島、瀬戸内海が一望でき、所々にガラス張りの床が設けられ、真上から渦巻く潮の流れを見ることができる。渦ができては消え、またできて、を見ていると飽きないが目が回りそうになる。干潮、満潮に切り替わるタイミングに潮が流れ込んで渦ができるらしい。
斜め上から見ることで渦潮が列になっているのが見えるが写真を撮るのはなかなか難しい。というのは撮影に適した場所は人が多いし、天気が良かったのでガラス面にはどうしても通路側の雑踏が反射して映り込んでしまう。近くまで行く観光船が出ているがどんな感じなのだろう。渦の近くまで行けばかなり迫力があるのだろうか。船はけっこう渦の際まで攻めているが、渦側に圧倒的に人が集まるので上から見ると船がかなり傾いており、もうちょっとで転覆しそうで怖いのだが。
お昼も過ぎたのでダメもとで淡路島の人気パン屋さんに行ってみることになった。先ほど歩いた鳴門大橋を今度は車で通過。昼をだいぶ回っていたので楽勝で入れラッキー。ここはパン食べ放題のパスタランチを提供している。パスタもおいしいが、小さくカットされカゴに盛られセルフでとってくる方式の様々な種類のパンが美味。オリーブオイルや残ったパスタソースをつけると絶品である。これが食べられたのだからむしろうどん屋に行かなくてよかった、という結論。何が幸いするかわかりません。
淡路島まで来たのでせっかくだから北の方にある伊弉諾神宮に足を延ばした。日本最古の神社と言われており、伊弉諾命(いざなぎのみこと)、伊弉冉命(いざなみのみこと)二柱を祀る由緒正しき神宮。根本から二本に別れた夫婦大楠はご神木。授与所には伊弉諾が黄泉平坂で黄泉醜女らを撃退した桃の形の絵馬や桃のお守りがある。日本神話のこのくだり、ふと思ったのだが、これ、伊弉冉目線で考えると彼女にとっては手榴弾投げられたようなものではないのか。そもそも伊弉諾が亡き妻を慕って黄泉まで行っておきながら、伊弉冉が見ないで、と頼んだのにこっそり覗いてしかもビビッて逃げるというのは、どうなんだろう。逃げた夫に見ーたーなー、と逆上して黄泉醜女に追いかけさせる伊弉冉も怖いが、黄泉で醜くなった己の姿を見られて彼女が怒るのは無理もないと思うのだが。
徳島市に戻り夕食を調達してその日の宿へ。市内には阿波踊り会館や徳島城址もあるが夕方だし疲れたのでホテルから出ることなく休む。
なので翌日は気合をいれて徳島観光に。徳島といえば渦潮以外も祖谷渓、大歩危小歩危、かずら橋など山の秘境も有名。地図を見てもわかる通り徳島県は吉野川が東西に流れている。鳴門のほうから遡ると川は三好市のあたりでくねっと南部の四国の中心部の山地へ入っていく。その上流の方にあるのが小歩危、大歩危。手前の祖谷川との合流地点から祖谷川を遡ると祖谷渓のかずら橋に至る。
この日はまず大歩危で遊覧船に乗るため吉野川沿いに内陸部へ。栃木の鬼怒川ライン下りもそうだったが、施設入り口から遊覧船乗り場へはけっこうな距離を降ることになる。風光明媚な谷というのは両側が崖なのだから川面はかなり下の方にあるわけで、帰りは登りが大変なのだ。
ここの遊覧船は緩やかな吉野川を往復し30分位で戻ってくるコース。船には取り外し可能な屋根の骨組みがあり、夏場や雨の時はシートをかけるのだろう。
初めて見る腰に巻いてバックルで止めるタイプの救命胴衣を身に着ける。一見ベルトの様だが、水にぬれるとエアバッグのように膨張するそうな。
両岸は切り立った白っぽい岩だが、すべてきれいに45度に傾いている。かつてここは海底だったが隆起でこうなったらしい。傾く岩壁が静かな水面に映り上下対称に幾何学模様を織りなす様は神秘的だ。
次に訪れた日本三大奇橋の一つ、かずら橋は大歩危から12キロほど。シラクチカズラで作られ、重さは約6トンあるそうだ。長さ45m・幅2m・水面からは14mの高さ。3年毎に架替えが行われるとのこと。維持費を考えれば通行料金500円も納得。手作り感満載で足元はスカスカ、水面が良く見え、人が乗って歩くたびに揺れるこの橋は、高所恐怖症の人にはお勧めできかねるスリル満点の橋。つるで編まれた手すりにしがみついて一歩ずつやっと歩くおばちゃんが前を行く。
確かに怖いが、私には静岡の大井川上流の細いワイヤ―でできたスカスカの橋よりまだしっかりしているように思えた。かずらが巻き付いている部分にはよく見ればちゃんと太いワイヤーの芯が通っている。橋そのものは丈夫そうだ。揺れるのと下が見えるのと手すりをつかみにくいのが怖さの原因とみた。橋を渡り終えると近くに滝があり、また、河原へ降りていくことも可能。下から橋を見上げればおっかなびっくり橋をわたる人々を見られる。
四国山中のこの辺り、平家の落人が隠れ住んだとのこと。確かに隠れ住みやすそうな秘境である。かずら橋もいざ追っ手が、という時には切り落とせるとか。
四国と言えばうどん、と思いきや、この界隈は「祖谷蕎麦」が有名とのこと。早速蕎麦屋へ。涼しかったので温かい蕎麦にする。関東の醤油多めのつゆと違い、関西風のだしのきいた透明な汁がおいしい。そばが沖縄そばのような白っぽくて平たい麺だった。でこまわし、という郷土料理は豆腐と里芋とこんにゃくを串刺しにし柚味噌をつけて焼いた、チビ太のおでんのような形の田楽。食べてみるとこれも柚味噌が効いてておいしい。
山を越えそのまま高知へ。最初に桂浜まで行ってしまい、前回見ていなかった竜馬記念館を見学。新館のトイレが故障中との理由で入場無料だった。ラッキー。
前回四国の西半分に行ったので今回は香川や徳島へ足を延ばした。航空会社のキャンペーンは調べるとけっこう頻繁にやっていたのである。
高松空港8時半着の便はかなり早朝に東京の家を出なければならずどうしても寝不足気味。これが国際線ならたっぷり寝られるが、狭い日本、四国くらいでは90分で到着。機内で映画など見ようと思うならペース配分して早送りにしないと結末まで見られない。(ラストの方で慌てて早回ししている人が斜め前にいた)
高松からレンタカーで徳島県鳴門市へ。早めに到着したかったのは、鳴門の渦潮がよく見られる時間帯に合わせたのと、途中で朝からやっている人気うどん店に寄ってつるっと朝食を摂りたかったから。ところが、残念ながら店についてみると「本日11時から」の張り紙。まあ、ネット情報と現地が一致しないのはよくあることで。諦めてファミレスにでもと思ったが、だらだら探していると渦潮タイムに遅れそうなので鳴門に直行。
駐車場から少し歩き鳴門大橋に至る。海上45メートルに位置する鳴門大橋は道路の下に遊歩道があり、大人510円で「渦の道」なる展望スペースを歩くことができる。
通路はガラス張りで太平洋、淡路島、瀬戸内海が一望でき、所々にガラス張りの床が設けられ、真上から渦巻く潮の流れを見ることができる。渦ができては消え、またできて、を見ていると飽きないが目が回りそうになる。干潮、満潮に切り替わるタイミングに潮が流れ込んで渦ができるらしい。
斜め上から見ることで渦潮が列になっているのが見えるが写真を撮るのはなかなか難しい。というのは撮影に適した場所は人が多いし、天気が良かったのでガラス面にはどうしても通路側の雑踏が反射して映り込んでしまう。近くまで行く観光船が出ているがどんな感じなのだろう。渦の近くまで行けばかなり迫力があるのだろうか。船はけっこう渦の際まで攻めているが、渦側に圧倒的に人が集まるので上から見ると船がかなり傾いており、もうちょっとで転覆しそうで怖いのだが。
お昼も過ぎたのでダメもとで淡路島の人気パン屋さんに行ってみることになった。先ほど歩いた鳴門大橋を今度は車で通過。昼をだいぶ回っていたので楽勝で入れラッキー。ここはパン食べ放題のパスタランチを提供している。パスタもおいしいが、小さくカットされカゴに盛られセルフでとってくる方式の様々な種類のパンが美味。オリーブオイルや残ったパスタソースをつけると絶品である。これが食べられたのだからむしろうどん屋に行かなくてよかった、という結論。何が幸いするかわかりません。
淡路島まで来たのでせっかくだから北の方にある伊弉諾神宮に足を延ばした。日本最古の神社と言われており、伊弉諾命(いざなぎのみこと)、伊弉冉命(いざなみのみこと)二柱を祀る由緒正しき神宮。根本から二本に別れた夫婦大楠はご神木。授与所には伊弉諾が黄泉平坂で黄泉醜女らを撃退した桃の形の絵馬や桃のお守りがある。日本神話のこのくだり、ふと思ったのだが、これ、伊弉冉目線で考えると彼女にとっては手榴弾投げられたようなものではないのか。そもそも伊弉諾が亡き妻を慕って黄泉まで行っておきながら、伊弉冉が見ないで、と頼んだのにこっそり覗いてしかもビビッて逃げるというのは、どうなんだろう。逃げた夫に見ーたーなー、と逆上して黄泉醜女に追いかけさせる伊弉冉も怖いが、黄泉で醜くなった己の姿を見られて彼女が怒るのは無理もないと思うのだが。
徳島市に戻り夕食を調達してその日の宿へ。市内には阿波踊り会館や徳島城址もあるが夕方だし疲れたのでホテルから出ることなく休む。
なので翌日は気合をいれて徳島観光に。徳島といえば渦潮以外も祖谷渓、大歩危小歩危、かずら橋など山の秘境も有名。地図を見てもわかる通り徳島県は吉野川が東西に流れている。鳴門のほうから遡ると川は三好市のあたりでくねっと南部の四国の中心部の山地へ入っていく。その上流の方にあるのが小歩危、大歩危。手前の祖谷川との合流地点から祖谷川を遡ると祖谷渓のかずら橋に至る。
この日はまず大歩危で遊覧船に乗るため吉野川沿いに内陸部へ。栃木の鬼怒川ライン下りもそうだったが、施設入り口から遊覧船乗り場へはけっこうな距離を降ることになる。風光明媚な谷というのは両側が崖なのだから川面はかなり下の方にあるわけで、帰りは登りが大変なのだ。
ここの遊覧船は緩やかな吉野川を往復し30分位で戻ってくるコース。船には取り外し可能な屋根の骨組みがあり、夏場や雨の時はシートをかけるのだろう。
初めて見る腰に巻いてバックルで止めるタイプの救命胴衣を身に着ける。一見ベルトの様だが、水にぬれるとエアバッグのように膨張するそうな。
両岸は切り立った白っぽい岩だが、すべてきれいに45度に傾いている。かつてここは海底だったが隆起でこうなったらしい。傾く岩壁が静かな水面に映り上下対称に幾何学模様を織りなす様は神秘的だ。
次に訪れた日本三大奇橋の一つ、かずら橋は大歩危から12キロほど。シラクチカズラで作られ、重さは約6トンあるそうだ。長さ45m・幅2m・水面からは14mの高さ。3年毎に架替えが行われるとのこと。維持費を考えれば通行料金500円も納得。手作り感満載で足元はスカスカ、水面が良く見え、人が乗って歩くたびに揺れるこの橋は、高所恐怖症の人にはお勧めできかねるスリル満点の橋。つるで編まれた手すりにしがみついて一歩ずつやっと歩くおばちゃんが前を行く。
確かに怖いが、私には静岡の大井川上流の細いワイヤ―でできたスカスカの橋よりまだしっかりしているように思えた。かずらが巻き付いている部分にはよく見ればちゃんと太いワイヤーの芯が通っている。橋そのものは丈夫そうだ。揺れるのと下が見えるのと手すりをつかみにくいのが怖さの原因とみた。橋を渡り終えると近くに滝があり、また、河原へ降りていくことも可能。下から橋を見上げればおっかなびっくり橋をわたる人々を見られる。
四国山中のこの辺り、平家の落人が隠れ住んだとのこと。確かに隠れ住みやすそうな秘境である。かずら橋もいざ追っ手が、という時には切り落とせるとか。
四国と言えばうどん、と思いきや、この界隈は「祖谷蕎麦」が有名とのこと。早速蕎麦屋へ。涼しかったので温かい蕎麦にする。関東の醤油多めのつゆと違い、関西風のだしのきいた透明な汁がおいしい。そばが沖縄そばのような白っぽくて平たい麺だった。でこまわし、という郷土料理は豆腐と里芋とこんにゃくを串刺しにし柚味噌をつけて焼いた、チビ太のおでんのような形の田楽。食べてみるとこれも柚味噌が効いてておいしい。
山を越えそのまま高知へ。最初に桂浜まで行ってしまい、前回見ていなかった竜馬記念館を見学。新館のトイレが故障中との理由で入場無料だった。ラッキー。
作品名:旅エッセイー四国2 鳴門、父母が浜、別子銅山、金刀比羅宮 作家名:鈴木りん



