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しらじら

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斯々然々。
そんな短い言葉で終わる程度の出来事ですが・・・
おや、わからない?
これこれこういう事が僕に起こったと語りたいのです。

まだ信じられない愉しくも滑稽な出来事の始まり。 



その日はクリスマスイブでした。
いつも通りに定時から一時間の残業した僕は 机上を整頓し、席を立ちました。

あ、誤解のないように言い訳をするとすれば、残業は強要されるではないし、上司の評価を気にしてのことでもない。
え? 給料の上乗せを狙ってのことかって? 残念ながら、ただ居残っているだけで サービスでもボランティアでもないのだから「残業」という言葉は正しくないのだろう。
ほぼ同時に事務所を出て行く行列に紛れたくない…が本音といったところだ。
が、声をオンにしては言えない。

帰りかけた僕は、着信音に導かれるままファクシミリに流れてきた紙を手に取ってしまったのです。誰宛とも書かれてはないものの書類の内容に目を通すと、僕も少し関わった案件の急ぎの変更でした。
とくに仕事熱心とはいえないですが、なんとなく明日のクリスマスから仕事納めまでの日々を平穏に送る為には 今これをやり直せば…という気持ちが湧いてきたのです。
しかし、(いや、待て 明日でいいか…)
帰り支度が整った僕の足は その迷惑な手に電流でも送ったのだろうか… 触れた機器の静電気を食らった。先ほどの湧き上がりかけたやる気が一気に冷めました。小さく「見てない」を添えて その紙を機器の横に置かれた総合デスクの未処理カゴに入れ、ドアに向かいました。

やっぱり気になった? 
それとも事務所の点検確認のつもりだったのか?
ふと視線を室内に返した。その先に…。

僕の視野の中、ふわっと紙の端が持ち上がったのが目に映ったのです。
振り返る必要などなかったはずなのに…。


作品名:しらじら 作家名:甜茶