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心境の変化

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その3


私はそのひとに初めて出合ったときに着ていた洋服や、その後母に連れられてそのひとの職場へ行ったときに着ていた洋服をしっかり覚えている。

今は太目だがそのころの私は母が心配するほど細くて、体重も少なかった。
自分の過去の姿を覚えているのは長い人生の中で数えるほどしかない。
つまり自分にとって特別なトキだったのだ。

沢山の人、友達、同級生、恩師、などと会ったりどこかに行ったりしたが、自分の服装とかは全く覚えていない。

長く生きているといっぱいの記憶があるが、そのときの自分はどんな顔だったのだろう。
どんなことを思っていたのだろう。
世の中で一番覚えていないのは自分の姿や当時のわたし自身なのだ。


作品名:心境の変化 作家名:笹峰霧子