限りなく事件性のある
大団円
その時は分からなかったが、公開捜査に至ってから、一人の刑事が、
「自分たちの事件に似た事件があったようだ」
と言いだした。
しかも、それが、
「殴られて入院している元警察官にかかわりのあること」
ということで、
「偶然なのか?」
と思いながら、それを上司に話すと、相手の署が興味を持ったようで、話を聞きに来たということであった、
「今度の事件は、最初は、自殺であり、次は、本当に殺されたということになるのか?」
と考えられた。
実際にはその通りで、
「霧島元警部補が殴られた」
という事件は、そのことと関わっていたのである。
しかも、霧島警部補としては、
「ただのリストカット事件」
ということで、あまり大げさにしてしまうと、彼女も立場がないということだったのだ。
そもそも、霧島という男は、皆から、
「大きな勘違いをされている」
ということであった、
というのは、
「いつも、自分のことばかりで、手柄を欲しがったり、人と関わらず、自分勝手な行動をしている」
と思われていたが、実際には、
「捕まえた犯人」
に対しては、しっかり、フォローを行ったりするという、
「人情溢れる刑事」
といってもいいだろう。
それが、
「照れ隠しなのか?」
ハッキリとしたことは分からないが、
「警察としては威厳のある態度を示す」
ということで、
「皮をかぶっていた」
といってもいい。
ただ、犯人から恨みを買っていたというのも事実で、ただ、それは、
「警察官であれば、誰でも同じことだ」
といってもいいだろう。
実際に、今回のような事件は、
「そもそもが、痴話げんかというものからはじまった」
ということであった。
「リストカット」
というのも、そもそもが、
「痴話げんか」
によって、彼女が精神を病んでしまったことから起こったことだった。
だから、
「本当はすぐにでも、警察に届ける必要があったのだが、何事もなく、かすり傷くらいで事なきを得た」
ということであったので、
「警察に届けるまでもない」
と思ったことから始まったのだ。
男の方とすれば、ただの痴話げんかということではなかった。
「オンナと、そろそろ別れたい」
と思っていたのだ。
それだけ、女は、精神疾患を抱えていて、
「早く別れた方が得策だ」
と思っていた。
実際に、
「他に女」
というのも作っていて、その女も、彼女の存在を鬱陶しく感じていて、神経質なところがあることから、男に、
「あの鬱陶しい女を殺してよ」
と煽っていたのだ。
どこまで本気だったのか、分からないが、男とすれば、自分も、
「思い込んだら、どこまでも」
ということだったので、女を殺すことを考えた。
実際には、その彼女を殺したのは、
「自分から煽った、新しい彼女」
であったが、男はそれを知って、
「すべてがいやになった」
ということで、その場で、自殺を試みたということであった。
その男が、
「なぜ青酸カリを持っていたのか?」
というと、
そもそも、
「自動車修理工場に勤めていた」
ということで、その病的な性格から、
「いつ自殺をしたくなるか分からない」
ということから、
「青酸カリ」
というものをひそかに持っていたのだ。
工場としても、なくなっていることが分かると大変だということで、
「工場長の性格からすれば、警察に届けることはない」
と思ったのだ。
神経質なだけに、他人の性格を読むことには長けているy。
それが、男の特徴だったのだ。
これが、
「事件の大まかなあらまし」
ということであった。
実際に、
「事件性の曖昧さ」
ということであったり、
「実際に、血の付いたナイフが二か所から見つかっている」
ということから、まるで、
「猟奇犯罪」
であるかのように、それこそm
「たくさんの人が殺されたか?」
とでも思えるような背景があり、
「自殺者のそばのナイフや血痕」
などという、不可解な状況。
さらには、
「頭を殴られて、記憶喪失になった元警察官」
などという、それぞれに、不可解な事件というものが乱立するということで、
「まるで、カオスだ」
といってもいいような内容であるが、実際には、
「それほど、人が殺された」
ということでもないし、
「記憶喪失」
というのも、そもそも、危険のある人を助けようとして、自分が階段から落ちたという事故が、記憶喪失につながったということで、
「こちらも、事件性というのはなかった」
ということだ。
そういう意味で、今回の事件は、
「限りなく事件性がありそうな」
ということが絡み合っていたが、実際には、そこまで大げさなものではなかったということになる。
殺された女性は気の毒であったが、彼女としても、
「何度も死のうとした過去がある」
ということから、
「いずれは、死ぬことになっただろう」
と思うと、
「事件性があったのかどうかハッキリとはしない」
といえるだろう。
しかし、実際には、
「事件性がある」
ということで捜査をしないと、先には進まなかったともいえる。
こんな、
「限りなく字形性がある」
と考える事件。
今後も触れてくることになるといえるのではないだろうか?
( 完 )
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作品名:限りなく事件性のある 作家名:森本晃次



