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タカーシャン
タカーシャン
novelistID. 70952
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宇宙からのお知らせと、人間世界の強制執行

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宇宙からのお知らせと、人間世界の強制執行

自然災害を、私たちは「不幸」や「悲劇」と呼ぶ。
確かにそれは、すべてを奪い去り、消えない心の傷を刻む。
家、仕事、人とのつながり、そして「当たり前だった日常」。
一瞬で失われるものは、あまりにも多い。

しかし、視点を変えると、
自然災害はまったく別の顔を持つ。

宇宙的に見れば、それはただのお知らせだ。
大地が動き、水があふれ、風が荒れる。
そこに善も悪もない。
「ここが限界だ」「今、変化が起きた」
そう告げているだけにすぎない。

ところが、人間世界に降りてきた瞬間、
そのお知らせは強制執行になる。

予定は消え、計画は崩れ、
積み上げてきた秩序は停止する。
待ってはくれない。
考える猶予も与えない。
「すぐに変われ」と、何の躊躇もなく迫ってくる。

このとき、人は選択を迫られる。
留まるか、離れるか。
しがみつくか、手放すか。
嘆き続けるか、一歩を踏み出すか。

この一瞬の選択が、
その後の人生の幸と不幸を左右することも少なくない。

自然災害が残す最も大きな問いは、
「何を失ったか」ではない。
「それでも、どう生きるか」だ。

だから、立ち上がれ。
誰かに支えられながらでもいい。
だが最後は、自分の足で立て。

見慣れた場所を離れ、
新天地を目指す選択もある。
失ったものに縛られず、
傷を抱えたままでも、歩き続ける道がある。

人は、環境は奪われても、
境涯までは奪われない。
境涯とは、置かれた場所ではなく、
その場所でどう在るかという「姿勢」だ。

最後に人が築くのは、
家でも肩書きでも財産でもない。
どんな状況でも折れなかった心、
変化から逃げずに選び続けた生き方。
それこそが、誰にも壊せない境涯である。

そして皮肉なことに、
すべてを奪われた先で築いた境涯は、
やがて——
宇宙からのプレゼントとなる。

自然災害は、
私たちを不幸にするために起こるのではない。
「このままではない生き方がある」と、
無言で知らせに来ているのかもしれない。

その知らせを、
強制執行で終わらせるか、
人生の更新通知に変えるか。

選ぶのは、
いつも人間の側なのだ。