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女教授の初体験

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 女を甘く見ている男にセックス巧者ぶりをおしえてやらねばならない。頭でたっぷり演習してきたからこれからは実技だ。セックスが乾ききった人間関係を潤す海になることがまれにある、という一文を思い出した。さて誰の作品だったか、思い出そうとするが思い出せなかった。女が自分に言って聞かせるように、セックスの物語を話すときは、どうでもよい男かそうでなければやさしい男に限られる。嘘で脚色された創作だからだ。賢くて経験が豊富な男は、女の嘘も楽しむのだが、女は盛り上がらない。

 翌朝、大きなうんこが出た。気分がすっきりする。出し切った後のこの感覚に、射精に感じる男性を想像した。院生時代に言い寄ってきたイケメンの法学部生との初めてのキス、舌と唾液とがまじりあい刺激に慣れていく、あの感覚が蘇った。不思議なことを思いだすものだ、なぜだろうと自問する。ダムの決壊が記憶の封印を解いたかもしれないと考えた。
 異常を好むわけではない、暗黒文学はあくまで作品だ。相手を変えればときめくだろうか、自信が生まれた女はカオスを目指す。
 男との度重なるセックスで、頭で考えて感じると体がハイレベルの反応を示すようになることが分かった。大きな成果だ。女性の解放を夢見た近代黎明期の作家たちの世界に思いをはせる。彼女たちの作品は、かつては文学であったが、いまは世界を変える武器となった。

 あの頃の男たちはいつも正しそうに見えた。概念や体系がしっかりいているから、世界の出来事を自らの解釈で説明しきる。しかし男の正しさが女の正しさとは限らない。体は自分自身のものだ。誰かに独占されるというものではない。東大教授のフェミニストが婚外性交の権利と声高に話していたことを思い出す。その時は他人事だった。
 言葉が力を持つということがあるだろう。それは武器なき人にこそふさわしい。体を誰かに独占されているとしたら、それはその誰かの物語の断片にすぎなくなる。婚外性交権の行使は、女が潜在的に抱く男性への違和感の根源に突き当たり、違和感の溶解、解消のプロセスは、自分自身にしか見ることができない世界があることを証明するだろう。
 男は巧みに世界を解釈してきたが、それは変革ではない。女の言葉は解釈ではなく、世界を変えるのだ。いまにわかるだろう、わからせて見せると、女はつぶやいた。
作品名:女教授の初体験 作家名:広小路博