ストレスとは、人に話せないこと
ストレスとは、忙しさでも疲労でもない。
本当の正体は、人に話せないことだと思う。
不満があっても、
弱音を吐きたくても、
「こんなこと言ったら迷惑だろう」
「自分が悪いと思われるだろう」
そうやって飲み込んだ言葉が、心の奥に溜まっていく。
人は、出来事そのものよりも、
共有できない感情に苦しむ。
同じ失敗でも、笑って話せれば軽くなる。
黙って抱えれば、重く沈む。
令和は、何でも発信できる時代だと言われる。
だが実際は、
本音ほど言えず、
正しさほど求められ、
「分かってもらえないかもしれない」という不安が、口を閉ざす。
話せない感情は、行き場を失う。
やがて苛立ちになり、無気力になり、
ときには誰かへの攻撃に姿を変える。
ストレスは、心の中で変質する。
だから大切なのは、
解決策よりも、
正論よりも、
安心して話せる空間だ。
ストレスが減る瞬間は、
問題が消えたときではない。
「それ、分かるよ」と誰かに言われたときだ。
ストレスとは、弱さではない。
人に話せない状態が、長く続いているサインである。
作品名:ストレスとは、人に話せないこと 作家名:タカーシャン



