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タカーシャン
タカーシャン
novelistID. 70952
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揺れない幸福

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幸福とは、ラッキーが続くことでも、嫌なことが起きない人生でもない。
本当に強い幸福は、もっと静かで、もっとタフで、もっとしなやかだ。

それは――
どんな苦難が来ても、自分のペースで進める「内側の安定」を持っていること。
外で何が起きても、心の中心が揺れない“地盤”をつくることだ。

最近は「メンタルが強い人」や「折れない心」なんて言葉がよく聞かれる。
でも本当のところ、強さとは筋肉のように力むものではない。
もっと“自然な重心”の話だ。

たとえば、どんな風が吹いてもゆらゆら揺れながら立ち続ける、竹のような柔らかさ。
あるいは、天気が晴れでも雨でも淡々と動く、地下を走る電車の安定感。
そんな「ぶれない軸」を、人生の深いところに持つこと。

だから幸福とは、
運がいい・悪いに右往左往しない、自前の“心のエンジン”を育てることでもある。

運は気まぐれだ。
調子がいい日もあれば、一つのトラブルが何連鎖にも広がる日もある。
人生はガチャのようなものだ、とよく言われる。
でも実際のところ、本物の幸福はガチャ運とはまったく別の次元にある。

・不運が来たからといって折れない
・幸運が来たからといって浮かれすぎない
・どんな日も「自分で進む」姿勢を失わない

これが“揺れない幸福”だ。

そして、その境地は突如として訪れるものではない。
日々、自分が感じる小さな感情、小さな不安、小さなイライラ――
それらをひとつひとつ受け止め、整え、アップデートしていく中で、
ゆっくりと生命の底から育っていく。

まるで、深海の水圧に鍛えられた層が、静かに厚みを増していくように。

では、どうやってそんな境地を開くのか。

答えはシンプルだ。
「今日の自分を、今日の自分で引き受ける」こと。
完璧じゃなくていい。強がる必要もない。
ただ毎日、できる小さな一歩を重ねる。

・今日の疲れを素直に認める
・誰かの言葉にざわついた自分を否定しない
・不安の正体を見つめてみる
・ちょっとだけ深呼吸してみる
・ひとつの優しさを誰かに渡してみる

そうした“微細な積み重ね”が、やがて巨大な安定となり、
苦難を悠然と乗り越える力へと変わっていく。

幸福とは、一瞬のキラキラではなく、
静かに燃え続ける“内側の火”を手に入れること。

その火は、あなたの人生のどんな嵐にも消されない。

これこそが、
運・不運に左右されず、人生の荒波をしずかに越えていく「最高の境地」である。
作品名:揺れない幸福 作家名:タカーシャン