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タカーシャン
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novelistID. 70952
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耳マッサージ――小さな努力が、心と体を整える

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耳マッサージ――小さな努力が、心と体を整える


最近、なんとなく疲れが取れない。
眠りが浅く、肩も重い。病院へ行くほどではないが、どこかスッキリしない。
そんな「未病」の状態に、静かに効くのが“耳マッサージ”である。

耳には、全身の臓器や神経とつながる反射区(ツボ)が集中している。
その形が、まるで「逆さの胎児」に似ていることからも、人間の全身を映す“縮図”と言われる。
耳たぶを軽く引っ張るだけで血流が巡り、頭がポカポカしてくるのを感じる人も多い。
これは、耳の末梢血管を刺激することで、全身の循環が促されるためだ。

医療の世界では、「自律神経のバランスが乱れることがあらゆる不調の出発点」と言われる。
ストレスで交感神経が優位になり、体が常に“戦闘モード”のままでは、血流は滞り、免疫力も低下する。
しかし耳を揉むと、副交感神経が優位になり、心拍が落ち着き、呼吸が深くなる。
ほんの数分で、体が“リラックスモード”に切り替わるのだ。

たとえば仕事の合間に、耳たぶをつまんで軽く回す。
または、入浴後に両耳を上下左右にゆっくり引っ張る。
これだけで顔の血色がよくなり、肩の力がふっと抜ける。
寝る前なら、心地よい眠気が自然に訪れ、睡眠の質も高まる。

実際、耳マッサージを毎晩の習慣にしてから「風邪を引かなくなった」「寝つきが良くなった」という声も多い。
耳を温め、刺激することで、末端まで血流が届き、体温が上がる。
免疫細胞が働きやすくなり、“冷え”が原因の不調を防ぐ効果もある。
これこそ、薬やサプリでは得られない「自然治癒力」の目覚めである。

現代は“速さ”の時代だ。
スマホも仕事も情報も、すべてがスピード優先。
だからこそ、体は常に緊張し、心は休む間を失っている。
耳マッサージは、その流れをほんの数分で逆転させる。
静かに耳をさする時間は、自分と対話する「小さな瞑想」のようなものだ。

大きな努力や根性は、長続きしない。
けれど、小さな努力は、気づけば一生ものの習慣になる。
耳を揉むという“たった数秒の手当て”が、全身を整え、心を穏やかにし、未病を防ぐ。
まるで、からだのスイッチを優しくリセットするように。

今日も一日頑張った自分へ。
寝る前の数分、テレビの音を少し絞って、
そっと耳を揉んでみよう。
体が喜び、心が静まり、きっと深い眠りがやってくる。