親になるって、思ったよりも“育てられてる”
「子どもを預けてまで働くなんて」
そんな言葉、まだ聞こえてくることがあります。
まるで、働くことが“子育てを手放すこと”みたいに。
でも、わたしたちは知っています。
朝のバタバタの中で、泣く子を抱きしめながら家を出るあの瞬間の重さを。
仕事中も、頭の片隅で「元気かな」と思い続ける気持ちを。
誰よりも子を想いながら、社会の中で懸命に生きているということを。
保育園に預けることは、誰かに押しつけることじゃない。
家族のように一緒に育ててくれる人たちがいる、
社会の手を借りながら生きる、今の時代の新しい“子育て”なんだと思います。
それでも時々、「親としてちゃんとできているのかな」って不安になる。
けれど、その迷いこそが“親育て”の証かもしれません。
子どもと向き合う中で、自分の弱さや未熟さを知って、
少しずつ変わっていく。
叱ったあとに後悔して、泣いたあとに笑い合って、
そうやって“本当の大人”に近づいていくのだと思います。
子育ては、親の人生のリハビリみたいなもの。
子どもを通して、自分ももう一度、人を信じることを学んでいく。
たくさん働いて、たくさん悩んで、
それでも子どもと過ごす10分のハグが、
どんな10時間よりも濃い愛を育ててくれる。
“いい親”のかたちはひとつじゃない。
働く親も、家で見守る親も、みんなそれぞれの場所で
毎日ちゃんと「育てられて」いる。
作品名:親になるって、思ったよりも“育てられてる” 作家名:タカーシャン