『だんしゃりー魔との戦い』
物を捨てようとした瞬間に、必ず現れる。
あの声が聞こえる——
「それ、まだ使えるよ」「思い出あるじゃない」
そう、彼(彼女)の名は“だんしゃりー魔”。
片づけようとするたびに、私の手を止める。
「未来のため」と言いながら、過去を手放せない心の番人。
けれど、本当は知っている。
だんしゃりー魔は、物を守っているのではなく、
私の未練を守っているのだと。
今日もまた、ひとつ捨てるたびに、
心の奥で「ありがとう」と小さくつぶやく。
さよなら、だんしゃりー魔。
今度こそ、ほんとの自由へ。
作品名:『だんしゃりー魔との戦い』 作家名:タカーシャン