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タカーシャン
タカーシャン
novelistID. 70952
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あの人、病んでるよね —— 何を病んでいるのか

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あの人、病んでるよね —— 何を病んでいるのか

「あの人、ちょっと病んでるよね。」
そんな言葉を耳にすることがある。
だが、人が「病む」とは、心のどこかが何かに押しつぶされている状態のことだ。
それは単に“弱っている”のではなく、真剣に何かを抱えている証でもある。

人間関係を病む人がいる。
周囲に合わせるうちに、自分の意見や気持ちを置き去りにしてしまう。
「なんでもいい」が口ぐせになり、自分を失っていく。

過去を病む人もいる。
あの時の選択、あの別れ。
時間は流れても、心の奥で止まったままの時計がある。

未来を病む人もいる。
「どうせうまくいかない」と思い込んでしまい、
動く前から自分にブレーキをかけてしまう。
不安という名の影が、前に進む力を奪う。

孤独を病む人も少なくない。
笑顔の裏で、誰にも見つけてもらえない痛みを抱えている。
本当は「助けて」と言いたいのに、「大丈夫」と言ってしまう。

そして、愛を病む人もいる。
「誰かに必要とされたい」と願うあまり、自分をすり減らしてしまう。
「嫌われたくない」は、本当は「愛されたい」の裏返しだ。

こうして見ると、人は誰もが何かを病んでいる。
しかし、それは決して悪いことではない。
病んでいる場所は、かつて大切にしていた場所でもある。
人を想い、真剣に生きてきた証拠だ。

もし身近な誰かに「病んでる」と感じたときは、
批判や距離ではなく、静かな関心とまなざしを。
その小さな優しさが、心の闇に灯をともすかもしれない。