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60〜80代が生きてきた時代は、戦後の焼け跡から始まった。
「無いものをどうにかして手に入れる」ことが生きる原動力だった。
だからこそ、働き詰めであっても苦労と感じるより「やることがある充実」として受けとめられた。

その世代にとっての豊かさは、家を建て車を持ち家族を養い社会的な地位を得て旅行や娯楽を楽しむ。
こうした「増やすこと」「満足を得ること」によって測られた。
努力して得た成果やモノは、達成感と同義であり、同時に「幸せ」の象徴だった。

これからの転換

しかし、時代は大きく変わった。
モノはあふれ、選択肢は広がり、便利さは行き渡った。
だから今の世代にとっては、同じ尺度で「やればやるほど充実」とは限らない。
これから必要なのは、減らすこと手放すこと、小さなことを大切にすること、他者と分かち合うこと。
つまり「心の満足」へと軸を移すことだろう。