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タカーシャン
タカーシャン
novelistID. 70952
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眠るとき、どこから元気になるのか

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眠るとき、どこから元気になるのか

夜、目を閉じるとき、疲れはどこから消えていくのだろう。
頭から? それとも足の先から?

一晩の眠りは、まるでリレーのように体の奥を回りながら、順番に修復を進めていく。



まずは脳から
眠りの最初は、脳が静かに片づけを始める時間だ。
日中に溜まった思考のかけらや疲労物質を洗い流すように、脳脊髄液がすうっと巡る。
朝、「頭が冴えた」と感じるのは、この第一走者のおかげだ。

つぎに内臓
脳が落ち着くと、血流は肝臓や腸、心臓などへ向かう。
肝臓は余分な糖や乳酸を分解し、腸は明日の消化に備えて動きを整える。
夜が深まるほど、体の奥で静かな修復作業が進む。

筋肉と骨へ
中盤からは、成長ホルモンが分泌され、筋肉や骨がじっくり補修される。
一日の動きでできた小さな傷が、見えない糸で縫われていく。
運動の疲れが取れていくのは、この時間帯だ。

最後は肌と末端
明け方、レム睡眠が増えるころ、肌のターンオーバーや免疫の調整が仕上げのように行われる。
目覚めたとき「全身が軽い」と感じるのは、この最終走者がゴールした証だ。



眠りは、頭から足先へ一直線に進むわけではない。
脳・内臓・筋肉・肌──それぞれが自分のペースでバトンを渡しながら、一晩で体をまるごと再生してくれる。

だからこそ、眠る前の小さな習慣が大切だ。
夜更かしを控え、スマホの光を少し遠ざける。
静かな呼吸で布団に身をゆだねる。

眠りはただの休息ではなく、体と心が黙々と働く「深夜の工場」だ。
朝、目を開けるときの爽快感は、その工場が夜通し動いてくれた証。
今日もまた、新しい一日が始まる。