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タカーシャン
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novelistID. 70952
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ジハグピ 自分を抱きしめる自動販売機

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ジハグピ 自分を抱きしめる自動販売機

街角の自販機の前に立つたび、私はふと思う。
もしここに「心の飲みもの」が並んでいたら、どんな味がするだろうか。
そんな空想の中から生まれた言葉がある。
ジハグピ。
“自分をハグして、3ホルモン無料”の略だ。

オキシトシン、セロトニン、エンドルフィン。
安心・安定・幸福感を運んでくれるこの3つは、
お金を払わずとも、両腕ひとつで呼び出せる。
自分をそっと包み込むだけでいい。
朝の光の中で「おはよう」とつぶやきながら、
夜の静けさの中で「今日もありがとう」とささやきながら。

自分を抱くという行為は、最初は照れくさい。
でも、その温もりはじわじわと内側へ染み込んで、
心が「ここにいていい」とうなずきはじめる。
それは誰かに褒められるより、
誰かに抱きしめてもらうより、
ずっと深く、自分を支える感覚だ。

世の中には、自動販売機のように
手を伸ばせばすぐに買える“ご褒美”があふれている。
けれど、心がほんとうに渇いているとき、
お金では買えない“自分のぬくもり”こそが効く。

ジハグピ――
財布もカードもいらない。
自分の両腕があれば、いつでもどこでも稼働する、
世界でいちばん身近な自販機。
そのスイッチは、今日もあなたの胸のすぐそばにある。