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タカーシャン
タカーシャン
novelistID. 70952
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感情と出来事をほどく小さな習慣

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感情と出来事をほどく小さな習慣

人は「感情の生き物」だ。
誰かの言葉に胸が熱くなり、予期せぬ一言に心が沈む。
出来事と感情は、まるで縒り合わされた縄のように強く結びついている。
だからこそ私たちは、ときに“事実”を見失う。

ある日、会議の場で同僚が遅れてきた。
胸の奥がムッと熱くなる——それが最初の反応だった。
だがふと「これは事実か、感情か」と自分に問うてみる。
「同僚が遅刻した」——それが事実。
「軽く見られた気がする」——これは私の感情だ。

こうして分けてみると、不思議なほど心は落ち着く。
遅刻そのものが私を傷つけたわけではない。
私が選んだ解釈が、怒りという色をつけただけだった。

感情を切り離すとは、冷たい人間になることではない。
むしろ感情を大切に扱うための“間”をつくる作業だ。
ラベルをつけて眺める。
胸のざわめきを実況中継する。
映画館の客席から自分の心を見守る。
どれも簡単で、どれも奥が深い。

出来事と感情をほどくと、世界は少し広くなる。
事実はひとつ、解釈は無数。
自分が選ぶ視点ひとつで、未来の選択も変わる。

今日もまた心の中でつぶやく。
「これは事実か、感情か」
その小さな問いが、私を自由にしていく。