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静岡のとみちゃん
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悠々日和キャンピングカーの旅:⑭西日本の旅(山陰(後編))

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■私のキャンピングカーの紹介(いまさら?)


 これまでの紀行文の中でも時々、部分的だったかも知れないが、私のキャンピングカーを紹介してきた。改めて今回、これまでの実体験も織り込んで紹介する。

 キャンピングカーの製造・販売会社は、自動車メーカーから「ベース車」を調達し、それをキャンピングカー仕様に仕上げている。そのような業者を「ビルダー」と呼び、私のキャンピングカーのビルダーは「VANTECH(バンテック社)」だ。

 キャンピングカーは大きく7つに分類される。
 先ず、誰もが思い浮べるような運転席の上が盛り上がったキャンピングカー然としたフォルムのものは、ベース車のトラックの運転席と助手席の部分が「キャブ」と呼ばれることから「キャブコン」と呼ばれる。キャブコンバージョンの略だ。
 それ以外に、次第に台数が増えてきているハイエースなどのバンがベース車の「バンコン」、そして バスがベース車ならば「バスコン」、軽ならば「軽キャンパー」だ。 
 上記以外に、日本では台数は少ないが、トラックの荷台に取り外しが可能なキャンパーシェルを載せた「トラキャン」、乗用車などに牽引される「トレーラー」、そして輸入車に多い「フルコン」は専用のフレームやエンジンを用いて作られた最高峰のキャンピングカーで、自宅と変わらないような快適性があるようだ。

 多くの「キャブコン」はトヨタのトラック「ダイナ」がベース車になっている。それ以外には、いすゞの「ビーカム」や、バンやワゴンをベースにしたボディカットキャブコンもある。
 トヨタ「ダイナ」の荷台のないベース車は、キャンピングカー向けの仕様になっている部分もあるとのことで、その車両名は「カムロード」と言い、そのフロント部分には「Camroad」のエンブレムが貼られている。

 「キャブコン」の大まかな製造工程は、「カムロード」のキャブの屋根と後面の部分がカットされ、その部分とシャーシの上に居住部となるキャンパーシェルを載せ、キャブと一体化した外観に仕上げ、電気配線を含む内装が出来上がれば完成だ。
 なお、キャンピングカーの基本は就寝場所と炊事設備があることで、構造要件上は、これさえあればキャンピング車登録ができる。

 私のキャンピングカーの車名は「Zil(ジル)」と言い、発売当時は「幕の内弁当」という異名を持つほど、仕様的にフル装備だ。その紹介を始めよう。
 先ず、「ジル」の諸元は、全長5m×車幅2m×車高3m強で、このサイズの印象は全長がほぼ同じ普通車と比べると車高が高い分、かなり大きく見える。乗車定員は10人、就寝人数は大人で5名だ。2,800ccのディーゼルターボエンジンを搭載しているが、その燃費はこれまでの旅の実績からリッター約10km以上で財布に優しい。

 特徴的な部分と言えば、運転席の上にはロフトのような「バンクベッド」があり、その床の部分を後方にスライドさせれば、進行方向と平行に、大人2人が寝られる空間ができる。
 運転席の後方から、両側が約20cmずつ外側に拡張され、余裕のある居住空間があり、そこは「ダイネット」と呼ばれるリビングスペースで、中央のテーブルを囲むソファーには 7人が座ることができる。運転席と併せて乗車定員は10人になる。
 「ダイネット」の天井までの高さは約2mあり、大人が立っても、頭と天井の間にはかなりの余裕がある。その天井には「ルーフベント」が装備され、車内の排気や外気の取入れができる。
 「ダイネット」はベッドルームに様変わりする。それは、テーブルの高さを低くして、ソファーの背もたれ部分をテーブルの上に載せれば、大人3人が寝ることのできるスペースが生まれる。バンクベッドと併せて、大人5人の就寝が可能だ。

 「ダイネット」の後方は「キッチン」で、冷蔵庫、電子レンジ、2バーナーのガスコンロ、シンクには2つの水道の蛇口(フォーセット)が完備され、換気扇も付いていて、問題なく自炊ができる。
 ガスはプロパンガスボンベからカセットボンベ仕様に変更し、水道は、食器や手などを洗うための「生活水」を89リットル、「飲み水」は30リットルほど積載できる。その廃水を溜められるタンクも備わっている。
 なお、カセットコンロを予備として積んでいて、それをテーブルに載せれば、焼肉や熱々の鍋料理を楽しむことができる。

 「ダイネット」には、テレビとビデオを取り付けたので、キッチンで淹れたコーヒーや冷蔵庫から取りだした冷えたビールなどを飲みながら、就寝前のひとときを自宅のように寛ぐことができる。なお、全方位地デジアンテナを「ジル」の後面の屋根に登るための梯子のステーにポールを取り付けて、屋根より少し高い位置に取り付けた。
 実は、この「キャンピングカーの旅」の暫く後に北海道を旅した際、そのポールが倒木に接触し、破断してしまった。旅が終わり、その修理をしようとしたが、地デジで見ていた番組はNHKニュースとドラマが殆どだったため、「NHK+」や「TVer」などが見られる「Fire TV」を購入し、全方位地デジアンテナとは比較にならないほど確実に見ることができるようになった。なお、「ポケットWiFi」を起動させる必要があるが、これまで、パソコンでネットを見る際に「ポケットWiFi」を使用していたため、新た購入する必要はなかった。

 「ダイネット」と「キッチン」の間には、使用していないトイレや洗面台があり、そこはシャワールームでもあるが、今は、クローゼットや物置として使用している「マルチルーム」になっている。

 車外から「ダイネット」に出入りするエントランスは「ジル」の左側面の後方、すなわち「キッチン」の横にあり、その横には4足分の「シューズケース」があり重宝している。そして、「エントランス」の横には外灯も付いている。
 加えて、「サイドオーニング」という脚付きのタープがあり、「ジル」の左側面から2mほど出すことができ、その下にチェアとテーブルを並べて、焚き火でもやれば、100%オートキャンピングの雰囲気になってしまう。テーブルとチェア2脚は外部収納の中に常備している。

 居住性に触れるならば、先ずは断熱だが、ダイネットの窓は断熱構造の空気層を有する「二重窓」になっていて、加えて「遮光シェード」も付いている。
 そして暖房だが、エンジンを止めた状態で作動する「FFヒーター(軽油を燃料とする温風ファンヒーター)」が装備されていて、寒い夜でも快適な状況だ。
 一方で、冷房については、エンジン始動時には、ダイネットにもエアコンの冷気が出るようになってはいるが、エンジンを止めるとエアコンは止まってしまう。バンクベッドやダイネットの全ての窓には網戸があり、「ルーフベント」で暑い車内の空気を外に出すこともでき、後付けした2つの扇風機も活躍するものの、それでも暑い場合は、道の駅ならば、大型トラックの横に移動して、エンジンを掛けてエアコンを作動させるも、この対処方法は褒められたものではないため、以下のDIYに取り組んだ。