新世界
その3
長い待ち時間を経ての二つの科の診断を受けた結果、呼吸器科と甲状腺科のどちらも経過観察ということになり予約をして帰宅した。
肝心のむくみの原因については三人の医師は何も触れなかった。
翌日甲状腺科の若い女医はヒステリックな声で私の着ている胸の空いたタンクトップに難癖をつけ、喉のエコーを撮り、針を喉に突き刺して細胞をとった。ここに黒いものがあるのが気になると、小さな点をさして説明をした。
癌だったら手術しますか、それとも年だからやめますかとも言った。
結果を伝えるのは、混んでいるのでひと月後になると言われ、月をまたいでの予約となった。
この女医の、患者を見下げた言葉遣いには、この先診察を受ける気にはならず、神戸在住の娘に相談した。
診察の方向性ががらりと変わり、良い方向へと向き始めたのはこの不快な女医のお陰とむしろ感謝をしている。