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新世界

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その3


夜の闇に塀越しの灯りがついているのはほっとしてうれしいものだ。
新婚さんが入居して11月も半ばを過ぎようとしている。

それにしても10月末に入居というのに、まだ契約書ができていないというのはやはりいらいらする。
数日前、私は思い切って借家を訪ねた。

新婚さんだから休日は誰にも来てもらいたくないのか門扉が閉まっている。
スマホで最初に連絡があったときの奥さんの電話番号に電話したら、旦那さんが出た。
ちょっとお話があるので開けてくれませんか、というと若いだんなさんは怪訝な顔をして門扉まで出てきた。

そこで、契約書に必要な保証人の書類はどうなってますかと聞くと、届いてますと答えた。
不動産も待ってるんですよ、というと、そうなんですか、言われてないので知りませんでしたという。じゃあ明日持って行きますと素直な態度で言った。

作品名:新世界 作家名:笹峰霧子