「最高に愉快な、生命の王者の旅」を
堂々たる“生命の王者”のものになっていました。
〈エピローグ〉
丘を下り、長い道を歩き続けると、
ライオはいつの間にか、旅の出発点——
世界のど真ん中に戻っていました。
けれど、景色は少し違って見えます。
同じ空は、前よりも広く。
同じ地面は、前よりも温かく。
同じ風は、前よりもやさしく。
背負ってきたリュックは軽くなっていました。
その中には、
笑いの滝でつかまえた虹色のひとしずく、
涙のチョコレートの包み紙、
風のトムのマントの切れ端、
そして希望の丘で開けた小瓶の香りが、
そっとしまわれています。
ライオは空を見上げ、
静かに口角を上げました。
「さあ、次はどこへ行こうか」
その瞬間、
遠くの空に、またぐにゃぐにゃ道の地図が浮かび上がりました。
行き先は書かれていません。
ただ一行、こうだけ記されています。
“次の一歩から、また王者の旅が始まる”
ライオは笑い声を残し、
新しい道へと歩き出しました。
——そして物語は、まだ終わらない。
作品名:「最高に愉快な、生命の王者の旅」を 作家名:タカーシャ